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松舞町ラブストーリー
山陰の仮想の町松舞町を舞台にした、様々な恋愛を見守ってやって下さいね。
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Weekend episodeⅣ
高速のパーキングに止めた車の中で、僕らは目覚めた。
「おはよう純君。結構、風も出て来たね」
「そうっすねぇ 夜中、車体に穴が開くんじゃないかって位の雨が降ってましたしね・・・やっぱり、予定を切り上げて土佐大正に戻って正解でしたね。」
そう言いながら僕らは、寝袋の中から這い出した。
おはようございます、竹下です。
―――――――――7月18日(月)―――――――――
昨日の夕方の時点では、まだ雨降りそうな感じは有りませんでしたが、天気予報をチェックしてみると夜半から雨・・・しかも、結構まとまった量が降るって事でしたので、朝の約束通りJRで土佐大正の駅へとUターンしました。
車に戻ったのは20時過ぎ、寝るには早い時間ですし、取りあえず行ける所まで戻ろうという話になり、土佐大正の道の駅を後にしました。

途中のパーキングで、遅めの夕ご飯を食べ始めた位から、ポツポツと雨が降り始めました。
「とうとう降りだしましたね」僕はレストランの窓越しに、外を眺め呟いた。
「そうね。やっぱり、判断は間違ってなかったね」
「年の功って奴・・・いや、何でもないっす」
「ふ~ん・・・純君、そんな事言っちゃうんだ、良いわよぉここから歩いて帰っても。」
「ううう・・・勘弁っす。」さり気無く、窓の方にもう一度視線をずらしてみる
窓ガラスに叩きつけられた雨粒が一筋、街灯の光を反射しながらスーッと静かに、ガラスを伝って流れ落ちた・・・。
それだけの光景に少し心をかき乱された。

旅の思い出を共有出来たのはうれしいけど、こんな幸せがいつまで続けれるんだろう?

僕の視線を追っていたカヲルさんが、一息ため息をつきコーヒーを口にした。
「どうした少年。やっぱり残念?」
「いえ、そんな事無いです、2日間だけでしたけど楽しかったですよ。それに、また行くんでしょ今日の続きを歩きに。」
「そうね。早ければ、9月の3連休当たりなんか、どうかな?」
「良いっすね。それか、もう少し遅らせて紅葉を楽しむかって所ですね」
「紅葉かぁ・・・そう言えば、純君は栗とかアケビとか採った事有る?」
「そりゃ山ん中育ちですからね。栗どころかマツタケ取ったり、ヤマノイモ見付けてムカゴ採って近所のおばちゃんにお小遣い貰ったり、マーキングしておいて冬に自然薯掘ったりしてましたよ。」
「さすが男の子ねぇ・・・ムカゴご飯とか好き?」
「いや、我が家は煮っ転がしにしてましたから、食べた事ないですね。」
「じゃあ、今年の秋は栗ご飯にムカゴご飯、沢山作ってあげるね」


・・・今年の秋も、一緒に居てくれるって事ですよね。
その言葉に少し救われた気がする。
窓を伝う雨粒を眺めながら、ぼんやり今日聞いた話を思い出していた。
「このところ、立て続けに見合いしないかって話が、舞い込んでいるのよ。やっぱ、田舎だとそう言う話が来るのが早いわよね。」

もし、お見合いするなんて話になったら、僕はカヲルさんと会う事が出来なくなるし、何よりお見合いする事決めた自体、僕とは分かれるって言ってる様なものです。
そりゃまぁ、僕は社会人に為りたての18歳、その日を無難に過ごすのが精一杯の状態です。
片やカヲルさんはそろそろ適齢期の23歳・・・見合い話が入り始めてももおかしくない年齢ですよね。
本人は、結婚なんてマダマダ先の話って、笑っていますが・・・


お互い無言になっている事に気付き、気の利いたネタを探してみる。
「そう言えば、田舎の裏山じゃあ一年中、食材が取れますよ。春はフキノトウに始まって、土筆、タラの芽、コシアブラ取れますし、タケノコ、野蒜、蕨にゼンマイ、コゴミなんかも食べますね。夏はヤマメや鮎釣ったり出来ますし」
「うわぁ、山菜の宝庫だね。じゃあ来年の春は、ワンゲルメンバー呼んで山菜パーティーしようよ純君。」

来年になれば、僕は年齢が一つカヲルさんに近づける。
でも、それはほんの数カ月の話であって、誕生日が来ればカヲルさんは、また一つ年上になってしまう。
もし、カヲルさんが歳を取らないか、僕だけ時間軸を早く進める事が出来たなら・・・出来もしない事を、あれこれと考えてしまいます。

「ん~どうした少年、午後から顔が暗いぞ。」
カヲルさんが、心配して僕の顔を覗き込んだ。
「あっ、すいません。何でもないんです。何でも・・・」

「あっ、ひょっとしてお昼に話した見合い話の件、気にしてる? あの時、純君少し表情が曇ってたけど。だから、そんな気は全然無いって、まだまだ自由に羽ばたいていたいもん私」
「でも、いつまでもそうは言っておれないでしょカヲルさん。」
「『どんどん歳を取って行くだけ』なんて言わないでよ、それは私だって分かっているんだから。」
「だったら、やっぱり俺と・・・」
「それ以上言ったら、本当にここから歩いて帰ってもらうわよ少年。」
少し睨む様に、カヲルさんは僕の目を見た。

「ねぇ純君、私が見合い話を断るのは、もっと自由に過ごしたいからなの。週末には、自由気ままに色んな山に登っていたいの。結婚したら、旦那さんに気を使わなければならない、家庭が第一だから山登りの回数だって減るでしょ。中高年の登山ブームなんて、私にとってはまだまだ先の話だもん。第一、旦那が登山好きとは限んないでしょ。山か結婚、どちらを選んでも後悔すると思うの。どうせ後悔するなら、今、やりたい事をやっておきたいの。」


「それに・・・・・・

・・・少年には、保護者が必要でしょ。私が見守ってあげるから、安心して青春を謳歌しなさいよ」
えっ?それって?
「ちょっとぉ、何をキョトンとした顔してるのよぉ。ちゃんと、お礼の一つ位言いなさいよ」
「あっ・・・あぁ・・・あっ、ありがとうございます」
「うわぁ、取って付けた様な棒読みはなによぉ。やっぱり、ここから歩いて帰ってくれるかなぁ」
「うわっ、カヲルさん。それだけは勘弁です、まだ本州にすら戻ってないんですよ僕ら。」
「だったら、もっと気の利いたセリフの一つ位言えないの?」
「あの~・・・ とにかく、カヲルさんが後悔しない様に、精一杯僕はカヲルさんを幸せにします。」
そう言う僕の瞳には、少し泣きそうな顔をしたカヲルさんが映り込んでいた。


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