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松舞町ラブストーリー
山陰の仮想の町松舞町を舞台にした、様々な恋愛を見守ってやって下さいね。
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雨の日に二人・・・
「じゃあ、元気でね」私は精いっぱいの意地を張り、気丈に振舞い、小雨の中傘も差さずに歩く彼に、小さく手を振った。
―――――――――6月16日(木)―――――――――
喧嘩の原因は、お互い仕事が忙しく、すれ違いの日々が続いたのが発端だった。

ふっと出たセリフに、黙り込んでしまう彼。
違う。私が言いたいのは、そんな事じゃなくて・・・
弁解しても、もう遅かった。
テーブルの上の冷めたカフェオレが、沈黙の時間を物語っていた。
「もう、これで終わりにしよう。お前とは、やっていけない。」
沈黙の中、彼の方から切り出した。


静かに玄関を出て行く、彼。

カギを閉めに玄関に出てみると、傘立てに彼の半透明の傘が刺さったままだった。
傘を手に、慌ててマンションのエントランスに下りる。
彼は、ガラス戸の向こうで、ぼんやり空を眺めている。
「ほら、傘。忘れ物。」そっけなく、傘を差し出す。
「いいさ、要らないから捨ててくれ」
そう言い、彼は雨の中を歩き始める。

「じゃあ、元気でね」私は精いっぱいの意地を張り、気丈に振舞い、小雨の中傘も差さずに歩く彼に、小さく手を振った。

小さく手を降るのは、まだ別れたくないって気持ちが有るからだろうか?
大きく手を振ってしまうと、本当にこれっきりになりそうな気がして・・・

一度も振り向かない、彼
もし今、彼が振り返ったら、きっと私は彼に駆け寄り、人目も気にせず泣き付くかも知れない。
通り過ぎる車の助手席の女性が、怪訝そうに私を見つめている。

もういい。
こんな事してたって、一度離れてしまった彼の気持ちが戻ってくるとは、思えない。
振り続けていた右手をゆっくり下す。
同時に、自分がすごくちっぽけな存在に思えてきた。
ちっぽけな存在だからこそ、大きく手を振らなきゃ、本当に自分が居なくなる気がする。

「これが最後」自分にそう言い聞かせる。
少し大きくなった自分を、彼の後ろ姿に見せたかった。
下ろした右手を、大きく振り上げる。
随分小さくなった彼に、精いっぱいの思いを込めて手を振った。


ひとしきり強く雨が打ち付け始めた。
雨で霞む彼が、こっちを振り返った。
そして、ゆっくりと私の方に走り出した。



「ん? 日向、話聞いてる? あっ、また妄想してたな」
「えっ? 違うって」
一度だけ洋君の横顔を見つめ、もう一度窓の外に目をやる。
さっきのカップル、どうしちゃったんだろ?

小雨の中傘も差さずに歩く男性。
マンションのガラス戸に寄り添うようにしながら、小さく手を振る女性。
気になります、私の妄想癖を刺激されます。

走り寄ってきた彼が、傘を受け取りもう一度歩き出したりして・・・
オイオイ、それじゃ笑い話じゃん(^_^;)



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テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

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