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松舞町ラブストーリー
山陰の仮想の町松舞町を舞台にした、様々な恋愛を見守ってやって下さいね。
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ZUTTO
「比呂十さん、これで案内状は全部出し終わりましたね」
「そうだね美咲さん。後は・・・そろそろマジで新居を決めないとですね」
「そうですよねぇ~。2つに絞り込んだまでは順調だったですけどね。実は、今でもどっちにしようか悩んでるんですよ」
美咲さんは、口を少し尖らせて、テーブルの上の物件のコピーを手に取った。
そんな横顔も結構好きですよ、こんにちは比呂十です。
―――――――――5月21日(土)―――――――――
各方面から、話が入っているとは思いますが、僕達来月結婚します。
出会って3回目に一度プロポーズしてますが、去年の9月にもう一度改めてプロポーズしました。

プロポーズしたのは、ドライブ帰りの車の中。
途中から雨が降り出して、ドライブとしては最低でしたが、僕の人生の中では最高の一日です。

雲山市街を見渡せる、山道の路肩に車を止め、お互いの仕事の話をしたりしていました。
ふっと会話が途切れ、視線をフロントウィンドウに移す。
ワイパーが掻いた雨が、ウインドウを伝い流れ落ちて行く様をぼんやりと眺めていた。

ここの所、ずっと気になっていた事をふっと思い出す。
あの時は、半分勢い的な調子で美咲さんにプロポーズして、彼女からも返事をもらったけど、美咲さんの中であの時の思いが今でも揺らいでないか、気になっていた。

「あの美咲さん、突然こんな話で恐縮なんですが・・・」
「どうしたんです比呂十さん?そんなに改まって」
「いや・・・あのぉ。そろそろ付き合い始めて1年が経ちますよね。あの時自販機の前で言った事、覚えてます?」
「えっ? う、うん・・・」少し美咲さんがうつむいた。
「俺の気持ちは、あの時と変わっていません。むしろ1年経って、余計にその想いは強くなりました。ですから、ですから・・・」
「ですから?」
「・・・・・・改めて言います。僕と・・・僕と・・・」

おっと恥ずかしい位情けない自分をさらけ出す所でしたね。
そんなこんなで、今日も美咲さんのアパートで、打ち合わせやら何やらして過ごしています。


僕は、テーブルの上のもう一枚の物件のコピーを手に取った。
「比呂十さんが持ってる物件の方が、お互い勤め先には近いですよね。サンモールやホームセンターも近いから便利は便利なんですけど・・・」
「でも、美咲さんが持ってる方の物件が、部屋数多くて少し家賃も安いんですよねぇ」
「そうなんですよねぇ、いずれは比呂十さんの実家で暮すにして、それまでに子供が生まれたりした時の事考えると、悩んじゃうんですよ」
「まぁ俺的にはどっちのアパートも実家よりは会社に近いから、問題ないんですけど。ポイントは、部屋数を取るか利便性を取るかですよね」

お互い、あ~でもない こ~でもないっと意見を出し合いましたが、結局これっと言った決定打が生まれず、今日もまた煮詰まってしまいそうです。

「ふぁ~、やっぱり悩みますねぇ美咲さん・・・気分転換にコーヒーでも飲みませんか」
そう言って僕は席を立った。
「あっ、園長先生からお裾分けのクッキーもらって来たんですよ」そう言いながら、美咲さんも席を立つ。

「森山の奴がね、コーヒーは蒸らしと湯温が大切だって熱弁するんですよ。あいつ変な所にコダワリ持ってますからね。」
「モリヒデ君って、そんな感じしますよね(笑)」
やかんがカタカタと鳴り始めた。コンロの火を止め沸きたてのお湯を注ぐ
「あいつ曰く、蒸らしは220秒が一番美味しいらしいですよ」
壁際の時計に目をやる二人。
「・・・・・・」「・・・・・・」
「・・・・・・220秒って結構長い時間蒸らすんですね。」
「これで美味しくなかったら、月曜日文句言っておきますね。」

コーヒーサーバーを無言で覗き込む自分たちの姿に、思わず吹き出しそうになる。
「二人でコーヒーサーバー覗き込んで何してんでしょうね、そんな事したって時間が早く進む訳じゃないですのにね」
「まぁ確かに比呂十さんの言う通りなんですけどね。でも、一緒の時間を共有している実感が有って、結構私は好きですよ。これからも、ず~っとこうして二人で時間を共有していくんですね」

美咲さんの言葉に、ガラにもなく胸がキュンとなる。
隣に立つ美咲さんの右手をそっと握る。
一瞬ビクってしましたが、すぐ強く握り返してくる。
コーヒーサーバーを覗き込んでいる視線の端で、美咲さんを追いかける。
同じ様にまっすぐコーヒーサーバーを覗き込んでいるけど、握り返した手を表情のどこかで意識しているのが分かる。
「・・・そうですね。これからず~っと、こうやって二人の時間が流れて行くんですね、美咲さん」
視線の端に、微笑みながら小さくコクリと頷く美咲さんが居た。



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テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

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