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松舞町ラブストーリー
山陰の仮想の町松舞町を舞台にした、様々な恋愛を見守ってやって下さいね。
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sunday
タンスの引き出しの中を、もう一度チェックする。
そして机の上や棚の中を、もう一度見渡す。
「OK、忘れ物は無い様ね。‥‥‥あっ、歯ブラシ歯ブラシ(・o・;)」
慌てて洗面所に向かう。
こんにちは、日向です。
―――――――――9月27日(日)―――――――――
楽しかった東京生活も今日で終わり。
明日からは又、松舞保育園で日向先生として園児と向き合わなければいけません。
子供達と一緒に、園庭を走り回り歌ったり踊ったり‥‥子供の頃夢見た保母さん(今じゃあ保育士って言うんですが)として。
まぁ、それはそれで楽しいんですけどね。

洗面所の白い棚の上に、仲よく洋君と私の歯ブラシが並んでおり、昨日までの私達を象徴しているみたいで、思わず写メを撮っちゃいました。IMG_1082.jpg
何でもない風景ですが、何故か私には、それが特別な事の様に思えます。
今までだって、こうして数日一緒に過ごした日々は、何回か有ったんですけど今回は特別だった様な気がします。
東京生活って以外、大きな違いは無かったんですけどね(^_^;)

‥‥‥朝一緒に起きて、先ずは「おはよう」のキス
私が朝食を準備している間に、洋君が予約洗濯で洗い上がったばかりの洗濯物を干す。
朝食の後、互いに支度をして玄関の前で今度は「いってきます」のキスをした後、一緒に駅に向かう。
夕方、へろへろに為りながらも地元のスーパーでお買い物‥‥‥洋君と一緒に、献立を考えながらのお買い物も大好きですけど、洋君の喜ぶ顔を想像し、あれころ献立を考えながら一人でのお買い物も、それはそれで幸せな気持ちになります。
帰宅したら、早速夕ご飯の準備。
そして洋君が帰って来たら、先ずは「お帰り」のキス
おしゃべりをしながら、一緒に楽しい夕ご飯。
どちらかが洗い物をしている間に、もう片方が洗濯の予約とお風呂の準備。
一緒にお風呂に入り、それからは暫くの間互いの仕事や読書、TVを見たりする。
ひと段落付いたら、ビールでも飲みながら他愛のない会話を楽しむ。
そして一つの布団で眠りにつく
あっ、もちろん「おやすみ」のキス
う~ん一日に何回キスをするんでしょう(笑)

でも、そんな絵空事ばかり考えてちゃあいけませんね、ちゃんと現実を見つめて行かなくっちゃあ。
次に洋君に会えるのは多分お正月。
今年も、松舞に在る洋君の家通称「隠れ家」で年越をするつもりです。
その時まで、頑張らなくっちゃあいけません。

「お~い日向~。そろそろ出掛けないと新幹線に間に合わなくなるぞ~」
その言葉に我に返る。
「うん。今、行くぅ」
仲良く並んだ歯ブラシ達を引き離すのは、何となく忍びなくて結局そのまま置いて行く事にします。
洋君がその事に気が付いた時、「ったく日向の奴、相変わらずおっちょこちょいなんだから」そう苦笑いする顔が目に浮かびます。
そうして洋君が歯ブラシを持って年末に帰ってくる‥‥その為のおまじないですね。(他の女の子を連れ込んだ時の、防衛線って話も有りますが)

「お待たせ、洋君」
「よし、じゃあ忘れ物無いな?鍵するぞ。」
「う‥‥う~ん(笑)  この部屋には一週間お世話になったよね」
「おう、後で家賃の請求書を送るからな(笑) ほら荷物出せよ、持ってやるから。」
洋君が私のトランクをひょいっと持ち上げて、階段を駆け下りる。
「え~っ家賃の話なんて聞いてないよ。」
私も洋君の後を追う様に階段を駆け下りる
「でも本当に、この部屋にも洋君にもお世話になったわね。」
「そうだな、一週間も連続で一緒に過ごすのって、考えてみたら初めてかもな」
「あっ‥‥‥。そう言えば確かに初めてかもね。 楽しかったよ、ありがとう」
そうか、それで特別な気がしているのかも‥‥‥
「俺だった楽しかったぞ。日向の手料理を一杯食べれたしな。」
「いえいえ、どう致しまして」そう言いながら、前方の街並みを見渡す。
「この街ともお別れだね もう少し長い間住んでたら、この街の良い所がもっと分かったのにね」

「いや、別にず~っとこの街で暮らしても良いんだぞ」
ふっと真面目な顔で、私を見つめる。
「‥‥‥何それ?ひょっとしてプロポーズ?」
「馬鹿! んな訳無いだろ 例え話だよ例え話。」
「ふ~ん例え話ね‥‥何の例えなんだか(笑)」
「だから‥‥‥その‥‥なんだ‥‥‥ほら、あれだ‥‥‥」
しどろもどろになる洋君がかわいいです。
「うんうん分かった分かった、例え話なんだよね例え話。残念、ちょっぴり期待しちゃって損しちゃった」
「えっ? 今、何て言った日向?」
「だから‥‥‥ううん、何でもないって。 さて切符買うのも今日が最後だね、東京駅までだよね170円だよね」
「あぁ」
はっきり言わない洋君に少し苛立ちを感じます。
でも、洋君が言い出すタイミングを図っているのは分かってから、仕方の無い事だとは思います。
それに今、東京に残ってくれと言われても、園の事が気になって正直素直に「うん」とは言えないんですけどね
何もかも投げ出して洋君の腕の中に飛び込めたら一番幸せなのかも知れませんが、そんな勇気の無い自分に苛立っているのかも知れません。

上りのホームに洋君と並んで立っている。
そろそろ電車来るかなって思い、下り方向に目をやる。
そこには、まっすぐ前を見つめる洋君の横顔が。
こうやって毎朝、洋君の横顔を見ながら電車を待っていた。
それも、これで当分はお預けです、そう思うと少し切なくなってきた。

「ん?どうした日向。なんか忘れもんか?」
「えっ?違う違うゴメンね。洋君の横顔、当分見れないんだなって思ってさ」
「なんだよ、気持ち悪い 俺の顔なんて擦り減ったりするもんじゃないから」
「そりゃそうだけど」
「また見れるだろ俺の顔は。まぁ次会った時もう少し小皺と白髪が増えてるかもしれないけどな。」
そっけない返事を聞いて少し寂しくなる。
「ねぇ洋君は寂しくないの?」
「そりゃもちろん切ないさ。でも、俺が切ない位なんだから、日向はもっと切ないんだろうと思う。でもそれは日向の選んだ道だ。その選択で間違い無いのは分かっているから、俺が弱音を吐いたら折角の日向の決意に水を差してしまう様でさ。」
「洋君‥‥‥」
私の思いを洋君は理解してくれている、そう思うと嬉しかった。
でも同時に切なかった。
「安心しろ日向。俺は俺の考えを貫いて、お前と一緒になるつもりだ。だからもう少しだけ待ってくれ、何回もズルズルと引き延ばしているけど、必ずお前を迎えに行くからな‥‥‥おっ電車が来たぞ、日向。」
「うん、待ってるよ洋君。ず~っとず~っと待ってるから、洋君が迎えに来てくれるのを」
入って来た電車の音で、私の言葉はかき消されたかもしれない。
でも、優しく私を見つめ小さく頷く洋君がそこに居た。


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テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

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