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山陰の仮想の町松舞町を舞台にした、様々な恋愛を見守ってやって下さいね。
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雨あがりの朝に byスガシカオ
「ひどいよ、もう最低、信じられない。」
彼女は、そう言いながら、アパートのドアも閉めずに、外に飛び出して行った。
こんな酷い喧嘩をしたのは、初めてだった。
俺は、虫の居所が収まらないし、どうしたらいいのか分からず、部屋の隅にうずくまっていた。
それは盆前の土曜日の話だった。
それ以来、彼女と連絡が取れません。
こんばんわ、颯太です。
―――――――――8月20日(金)―――――――――
なぜ、あんなに仲が良かったのに喧嘩したかって?
それは、些細な事だったと思う、思い出せない位小さな事。
今、それを思い出そうとしても、しんどいだけですから、それ以上は語りたくないですね。
どうやら彼女‥‥朝ちゃんは、松舞に帰ったみたいです。
俺はと言うと、部活やバイトって適当に理由を付けて、東京に残る事にしました。
松舞に帰っても、同じアパートにモリヒデや金田が住んでいる訳で、色々と世話を焼かれるのも何となく癪ですからね。
今にして思えば、あの二人に仲介を頼むって手も有ったんですよね。
窓の外を眺めると、土砂ぶりの雨は小康状態になってますが、遠くで雷が鳴っているのが聞こえます。
窓を開けて空を眺めると、今の気持ちと同じで、どんよりとした雲が鈍く街の明かりに照らされています。
「そう言えば、朝ちゃんのアパートのベランダに置いてあるハーブ達、大丈夫だったかな?」
ふっと、そんな事を考えた。
合鍵は有るから、入ろうと思えば入れるんですが、喧嘩の真っ最中ですから、こっちから負けを認める様で、入りたいとも思いません。
そんな事を考えていたら、また怒りが沸々と蘇って来た。
朝ちゃんが他の男と会っていた‥‥‥
お昼から夕方にかけての話だから、多分疾しい事では、無いと思う。
でも会っていたのは事実だし、何度もメールで会話もしていた。
そんな朝ちゃんを、見て尋常で居られるほど、俺は人間が出来ていない。
「そんなに私の事が信用出来ないの?」って、彼女は聞いてきた。
本当に朝ちゃんの言う様に、相談に乗っていたのだけかもしれない。
困っている人を放っておけない性格、それだから彼女の事を好きなんだよな。
でも、俺には、他の女の子との接点を嫌う癖に、朝ちゃんは他の男と接点を持っている。
その不公平さが、我侭さが許せなかったのも事実だ。
今までの出来事をあれこれと思い出してみる。
楽しかった事、嫌だった事、その一つ一つがどれも、大切な思い出であり、例え小さな思い出でも、複雑に絡み合ってやはり捨て切れない大切な思い出だったりしている。
「やっぱり、ハーブ仕舞いに行こうかな‥‥でもやっぱりなぁ‥‥」
俺の心は、揺れ動いていた。
また降り出しそうな曇り空と一緒で、心もザワザワ揺れている。
そんな事を、ウダウダと考えているうちに、壁にすがって居眠りしていたようです、気がつくと空がうっすらと白くなり始めていた。
新聞配達の自転車が、カチャカチャと音を立てながら、窓の下を走り抜けて行く。
「このまま、ぼ~っとしてても時間の無駄か‥‥」
俺は、Tシャツとランニングパンツに着替え、軽くストレッチをした。
外に出てみると、いつの間にか雲が薄くなっていた。
澄んだ空気を味わう様に、深く深呼吸をする。
一歩づつゆっくりと歩き始める。
意識している訳ではないが、足は朝ちゃんのアパートが有る三軒茶屋へと向かっていた。
歩道には所々、水たまりが残っている。
そのうち、消えて無くなる水たまり、それは俺の心のわだかまりと、同じ様に思えてきた。
そのうち、消えて無くなる些細な出来事だったんだよ、きっと。
道の真ん中に出来た、大きな水たまりを飛び越えた瞬間、俺の気持ちは曇りが取れた。
「何も無かった顔をして、会いに行こう。」
俺は、走り出した。
朝ちゃんと色々な話がしたかった。
何でも無いここ数日の些細な事とか、とにかく何でもいい、彼女の声が聞きたかった。
もちろん、アパートに朝ちゃんが居る保証は無いんですが、行かないと気が済まなかったんです。
‥‥‥やはり、アパートに未だ戻って来てませんでした、朝ちゃんは。
ハーブの事も気になりましたが、合鍵を持っているとは言え、勝手に女性の部屋に入るのはちょっと気が引けましたから、今回はあきらめました。
とりあえず、自分の思うがままに行動した、それだけで満足です。
「んじゃあ、コンビニで朝飯でも買って帰るか」
俺は来た道を、走り出した。
コンビニで牛乳とサンドイッチを買う。
自動ドアが開いた瞬間、ムッとした空気が俺の身体を包み込む。
「こりゃ、朝から暑くなりそうだな。」見上げると、抜ける様な青空が広がっていた。
アパート近くの公園を抜ける時、セミの鳴き声が聞こえてきた。
ふっと、ヒグラシこと金田の事を思い出す。
「モリヒデの奴も、金田とこんな事を繰り返しているんだろうな」
そう考えると、たまに喧嘩するのも悪くないかなっと思えてきた。
俺はベンチに座り、サンドイッチを頬張りながら、頭上の樹をしげしげと眺めた。
「あっ、こいつはミンミン鳴いているから、アブラゼミだよな・・・(笑)」
そんな、つまらないネタでも、朝ちゃんはククッっと笑ってくれる。
そんな笑顔をふっと思い出したら、凄く寂しく思えてきた。
俺が素直になっていれば、いや・・・見栄を張らずに松舞に帰っていれば・・・
いつもの休日みたいに、青く晴れた公園で、手作りのサンドイッチを頬張りながらお喋りしていたい
会いたいな・・・会いたいよ・・・朝ちゃん
そんな事を呟いている自分に、ハッと気が付き恥ずかしくなってしまう。
「誰も聴いてなかったっと」そう言いながら、公園を見渡す。
下北沢の街は既に動き始めており、通勤途中のサラリーマンが俺の事など気にもせず、せわしなく歩いています。
そんな人ごみの中、重そうにトランクケースを転がす女性が目に止まる
「?! 朝ちゃん?」
その女性は、公園の入り口を抜け、こっちに向かって歩いてくる。
しばらく眺めていると、俺の存在に気が付き、足を止めた。
やっぱり、朝ちゃんだ。
彼女はゆっくりと俺に向かって歩き始める。
そして、俺の目の前で立ち止まった
「よお、おはよう。今朝も朝から暑いな」
「そっ‥‥そうね。何してるの、こんな所で?」
「‥‥‥三軒茶屋まで、ランニングした帰りさ。セミが鳴いててさ、ちょっと休憩してたんだ」俺は頭上の樹をもう一度見上げる。
相変わらずミンミンと鳴き続けていた
「アブラゼミだよね?颯太君 」
「そうだな、ヒグラシじゃないぞ、こいつは」
プッって、朝ちゃんが吹き出した。
「分かるわよ、私だってそれ位。ヒグラシは松舞に居るって言いたいんでしょ。カナカナに随分と説教されて来ました。」
「やっぱ、松舞に帰ってたんだ。」
「そうだよ、でも颯太君の居ない松舞はつまんなかったよ。花火大会だって、行ってないんだから・・・あのね・・・ごめんね颯太君・・・」
「俺こそごめん・・・朝ちゃんの事信じてるから。そんな事より、花火見てないんだ・・・確か今夜、二子玉川の花火大会だったはずだよ、見に行こうか」
「うん、行く行くぅ・・・でもその前に荷物を置いてこなきゃ。」
「花火は夜なんだから、まだ時間は一杯有るって。それに、二子玉なら三軒茶屋にどのみち出なきゃいけないし。」
「そうよね・・・まだ朝よね」クスッと朝ちゃんが笑う。
何日振りかに見るその笑顔に、俺も笑顔になる。
「取りあえず、俺、シャワー浴びて着替えるから、俺のアパートに来いよ。ほら、荷物持ってやるって」
「ありがとう、颯太君」
俺と朝ちゃんは、干からびた水溜りを、一つ飛び越えて歩き出した。
くりむぞんより・・・
すいません、スガシカオの最新アルバムFUNKASTiCの中の一曲、「雨上がりの朝に」にインスパイアされて書きました・・・
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