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西瓜
いつもの朝と同じ様に、家の前の垣根で、楓が出て来るのを待つ。
「ねえねえ健吾、浴衣の裾を直してもらったんだ。」
いつも以上に、明るい笑顔で楓が垣根の向こうから現れた。
おい!朝は「おはよう」だろ~が!
こんばんわ、健吾です。
―――――――――7月22日(火)―――――――――
「ねぇ、今晩花火やろうよ、健吾。」
「お前と二人でかぁ?」
「いやなの?」
うっ、そんな潤んだ目で、俺を見るなよな、嫌なんて言えなくなっちゃうじゃないかよ。
「あ~もう、しゃあねえなぁ」頭を掻きながら僕は答える。
「やったぁ。ねぇ、部活帰りにサンモール寄ろうね。花火買って帰んなきゃ。スイカは今朝、井戸に沈めておいたから、帰ったら冷えてるわよ」
井戸にスイカって、‥‥‥俺の返事に関係無く、やる気満々だったんだ(・_・;)
「ねぇ、打ち上げ花火も買おうよ。噴き出し花火も何本も欲しいな。」
部活帰り、二人でサンモールのおもちゃコーナーに寄った。
今日の楓は一日テンションが高かった(笑)
「俺そんなに金持ってないぞ、楓」
「大丈夫、大丈夫。お兄ちゃんにボーナスのお裾分け貰ったから。」
「あっ、良いなぁ~。じゃあ楓、アイス位おごれよな。」
「やだよ、アイス位自分で買いなさいよ。さぁ、花火はこれ位でいいかな? あっ、そうそう手牡丹花火買っておかなきゃね、佳奈絵さんのお勧めだし」
「何だそりゃ?佳奈絵さんのお勧めって?」
「ふふ~ん、内緒内緒♪」
ったく、今日の楓は、本当おかしいです。
「じゃあ8時に、そっち行くぞ。」「うん、待ってるからね」
垣根の前で、そんな会話を交わして別れる。少し歩いてから、何気なく振り返ると、楓が僕に向かって大きく手を振っていた。
いつもなら、すぐ家の中に消えてしまう癖に、今日の楓は本当におかしいぞ。
「ったく、いつまで経ってもガキなんだから楓の奴(笑)」
少し周りを気にしながら、僕は軽く手を振り返し、歩き始めた。
考えてみたら、周りに同級生が住んでる訳じゃないんだから、周りを気にする必要なんてない訳で、そう考えたら少し笑ってしまった。
「こんばんわぁ。お~い、楓~。」
「はいはい、は~い。」
相変わらずテンションの高い楓が、2階から降りてくる音が聞こえる。
玄関に現れた浴衣姿の楓に、僕は不覚にも見とれてしまった。
「どう? この浴衣似合う?」
「まっまあな」
「何か感動が薄いわねぇ」
「馬鹿、お前みたいなガキの浴衣姿見て、何を感動すればいいんだよ。」
とは言ってるけど正直な話、大人っぽくなり少し色気を感じる幼馴染みに、ドキドキしています。
「ガキですよ、どうせ私わ~」プクッとほっぺたを膨らませた楓が、妙に可愛く思えます。
膨らんだほっぺを指で押してみる。
「さあ楓、花火始めるぞ。バケツと蚊取り線香準備したか?」
「もちろん、OKだよ。ホラっ」
「じゃあ、最初は何から始めるかな。」
「私、この手持ち花火~」「じゃあ、俺も」
仲良くしゃがんで、蚊取り線香に花火を近づける。
「うわ~、きれい~」
花火にはしゃぐ楓の横顔が、最高に可愛いです。
制服や私服とは、また違った浴衣姿だからなんでしょうけどね。
吹き上げ花火を3発楽しんだところで、おばさんがスイカを持って来てくれた。
「はい、健吾ちゃんスイカ切ったわよ。ちゃんと種は出すんだよ。あんたは、小さい頃から何度言っても、種まで食べちゃう癖が有るんだから。」
「やだなあ、おばさん。俺だってもう高校生だよ。」
「私らから見たら、いつまで経ってもあんた達は子供なんだよ。」
「そう言えば健吾は、スイカにカブリ付けなかったんじゃなかったっけ?いっつも、スプーンでチマチマ掬って食べてたわよね。」
「馬鹿、楓いつの話をしてんだよ。俺だってスイカ位カブリ付けるって。楓、お前こそ、いい加減蒙古斑取れたか?」
「もっ蒙古斑‥‥‥馬鹿、有る訳無いでしょ。って言うかそんな所見てたんだ、この変態」
ったく、幼馴染みって言うのは、小さい頃の事を知っているから、質が悪いですよね。
縁側に並んで座り、スイカを頬張る。
「うん甘いなぁ、このスイカ」
「でしょ、今年は天気に恵まれたって、父さん言ってたよ」
「お前と、こうやって縁側でスイカ食うのって、小学校以来だよな」
「そうだっけ? 確かに中学入ったら、お互いの家に行く事無くなったもんね。」
「昔は、ひな祭りだ、端午の節句だ、七夕だ、ビニールプール出したって、何か有る度にお互いの家に厄介になってたのにな。」
「そうだったよね。そう言えばあんた、甘酒で酔っぱらって雛段を壊した事有ったわよね。」
「ありゃ、お前とヒデ兄が、俺に甘酒を飲ませ過ぎるからだろ。そういう楓だって、買ったばかりのビニールプールに穴開けたろう」
「あれは、お兄ちゃんが犯人だって」
「‥‥‥って事は、結局一番悪いのは‥‥‥」
「お兄ちゃん!」「ヒデ兄!」
二人で大笑いしてしまった。
スイカを腹一杯食べた後、残りの花火を楽しんだ。
やっぱり最後まで残ったのは、手牡丹花火だった。
「手牡丹って、いっつも最後に残るよな、花火的にもショボイしさ。」
「確かに残るわよね~。でも、やっぱり手牡丹花火が無いと、終わった気がしない事ない?」
「そうかぁ、そんなもんかね~。そう言えば、佳奈絵さんお勧めの手牡丹花火ってどう言う意味だったんだ?」
「んっ?知りたい?」
「あぁ気になるやんか」
「どうしても?」
「あぁ、どうしてもな。」
「じゃあ、目つむって。」
楓が僕の手を握る感触が有った。
ドキッとして一瞬手を払い退けようとしたが、思い直して楓のするがままにさせておいた。
楓は僕に何かを摘まませた。そしてその手をそっと楓の手が包み込む。
「勝手に動いちゃあダメだかんね」そう言いながら楓は僕の手を導く。
「いいよ、目を開けても」
‥‥‥思っていた通り、僕は手牡丹花火を摘まんでいた。
静かに火花を放つ手牡丹を見つめる。
激しく火花を散らし始めた。
「改めて見つめてみると、手牡丹って綺麗だよね。」
そう呟く楓の横顔を見つめる。
「楓‥‥‥今夜のお前も素敵だぞ」小声で呟いていた。
うぉ~柄にも無いセリフを口走ってしまった。
でも、言わずには居られなかった。それ位、本当に今夜の楓は素敵だった。
聞こえてないのか、楓は相変わらず玉になった手牡丹を見つめている。ただ、その口元は少し笑っている様に見えた。
「‥‥‥‥‥ねっ、分かった?佳奈絵さんがお勧めって言う理由が。うちのお兄ちゃんと始めて手牡丹花火をやった時、うちのお兄ちゃんが、来年も一緒に線香花火やろうなって、告白めいた事言ったんだって、んでその日の夜、今の兄貴の部屋で‥‥‥」
んっ?楓の奴、何赤くなってんだ?
「へぇ、そんなノロケ話がまだ有ったんだ。んで、楓は何を望んでんだ?」
「馬鹿、別に何もあんたなんかに期待なんかしてないわよ。」
「そうかよ。分かった分かった。じゃあ今度は俺が手牡丹をする番だな。」
俺は、手牡丹を一つ手に取った。
「じゃあ今度は楓が目をつむれよな。」
「何でよ~」
「いいから、つむれって」
楓がブツブツ文句を言いながら目をつむった。
それを確認してから、縁側の向こうを一回覗く。
そっと楓の手を握り、手牡丹花火を摘まませる。
そして、少し尖った楓の唇に、顔を近づけた。
「?!」
突然のキスにビックリした楓が、唇を離す
「健吾‥‥‥」
「その浴衣、すごく似合ってるぞ楓。来年もその浴衣姿、見せてくれよナ」
「うん」そう言いながら、僕の肩に手を回す楓
もう一度、ゆっくり唇を重ねる
楓の唇から、ほんのりスイカの香りがした。
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楓・青木先輩編【完結】
本田・沢田編【完結】
2009年収穫祭編【完結】
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【2010/07/22 20:36】
本田・楓編
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