松舞町ラブストーリー
山陰の仮想の町松舞町を舞台にした、様々な恋愛を見守ってやって下さいね。
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Happy valentineday in tokyo-city
うわ~、このビルすごく高~い
エントランスのイルミネーションも綺麗~
皆さんこんばんは、いつもに無くテンションの高い緑川朝葉です。
―――――――――2月14日(土)―――――――――
実は、今、東京の渋谷に居るんですよ。
えへへ、ふうた君とハチ公前で待ち合わせ中です。
なぜ渋谷かって?
はいはい、先ずは私達の近況から、お話しなきゃいけませんね。
実は、私もふうた君も、東京の大学に合格して、4月から東京に住む事に
なったんです。
そして、今週末は、お互いアパートを探す為に、私はお姉ちゃんと、ふうた君はお父さんと上京中なんです。
そして、せっかくのバレンタインの夜、会いたいねって話になって、こうしてハチ公前で待ち合わせしているって訳なんです♪

しかし・・・待ち合わせは七時だったんですが・・・もう30分も過ぎてます。まだ、いい物件が見つからないんでしょうか?
みんな、やはりハチ公前で待ち合わせているらしくて、周り中カップルだらけです。
まるで、松舞の花火大会みたい・・・この人混みは・・・
「あっ、ゴメンなさい・・・」
ボ~ッっとしていたら、歩いて人にぶつかりました・・・いや、正確には私は、ただ立っていた訳だから、向こうがぶつかってきたんだ・・・う~、何か私が謝って
損した気分・・・
周りをキョロキョロしていると、向こうで怖い格好した男の子3人が、1人で立っている女の子に話かけてます。
ひょっとして、ナンパって奴ですか?
う~、3人組は、諦めたのか、こっちに向かってテロテロ歩いてきます。
どうしよう・・・声をかけられたら・・・出来るだけ目立たない様に・・・
ちょっと人陰に隠れて・・・
って、それじゃあ、ふうた君にも見付けてもらえないかも・・・
あ~もう嫌だ・・・どうすればいいの・・・
男の子3人が、どんどん近づいてきます・・・
やだやだ・・・来ないで~
って、私の少し手前で、右の方向に曲がって行きました。
「良かった~」
しかし、考えてみたら、私の自意識過剰だったのかな? こんな人の多い街では、私なんて目立たないちっぽけな存在なのかも・・・
本当にふうた君に会えるのかな?
すごく不安になってきた・・・すごい人いきれで、思わず噎せ返りそうになる。
何かいきなり都会恐怖症になりそうです・・・花の大学生活始める前にホームシックになるとは。

少しベソをかきそうになっていると、やっとでふうた君が人混みの間から見えてきた。
思わず、抱き付いてしまった。
「ふうた君、怖かったよ~」
ふうた君の体温を感じたら少し落ち着いた。それと同時にここが街中で有る事を思い出した。
思わず飛び跳ねて、周りを見渡す・・・私がふうた君に抱き付いていた事など、誰も気にしていない素振りだった。抱きついた事より、周りをキョロキョロ見ている事が、恥ずかしくなって、思わず顔が火照ってきた・・・
「ゴメンネ、朝ちゃん・・・渋谷駅にはちゃんと七時前に着いていたんだよ。でも、降り口間違えて道玄坂の方に行っちゃって・・・ラブホテルが多くて、焦っちゃった・・・」
ラ・・・ラブホテル・・・?こんな街中に?・・・う~んさすが東京だ(自分で言っておいて、何がさすがなんだと突っ込んでみる。)
「とりあえず、どこかで休憩しようか、ふうた君」
「えっ、未だやばいよ、俺達未青年だし・・・」
あ~、ふうた君もうしっかり東京に感化されてます・・・(=_=#)

結局、お店が多すぎて決められず、普通にマックで、夕ご飯を取る事に・・・
まぁ、松舞にはマクドナルドなんて無いから、私達には十分お洒落なんですが・・・
「朝ちゃんは、アパート決まった?」
「うん、私は、大学の近くの三軒茶屋で、見付けたよ。ふうた君は?」
「俺は、下北沢。結構お洒落なアパートだよ。」
「下北沢・・・それって、三軒茶屋から遠い?新玉川線か半蔵門線沿いなら、迷わず行けそうなんだけど?」
「えっ?どうなんだろう? ちょっと待って・・地図見てみるね・・・あ~、三軒茶屋からだと一回渋谷に出て、井の頭線に乗り換えてから、行く様になるね・・・あっ、でも、歩いても行けるんじゃない?」
どれどれって、私も地図を覗き込む。
「ほら、この道を上って行けば下北沢の駅がすぐ近いよ。」
「本当だ、これなら毎日会えるね♪」
私が顔を上げるとそこには、ふうた君の顔が有って・・・ふうた君と目が合った。
これから、二人でこの街で暮らしていく。
大好きなふうた君の為に一杯料理を作りたいな。
たまには、背伸びして二人でお酒も飲んだりして。
そのうち、ホテルにも行ってみようね、ふうた君なら私は全てを任せられる
気がする。
すぅっと、ふうた君に唇を近付けてみる、ふうた君も顔を近付けている。
軽くキスをしてみた・・・店内で・・・
そこは、誰にも干渉されない二人だけの時間が流れていた・・・
案外、この街が好きになっている自分がいた。ふうた君の居るこの街が・・・

「じゃあね。また、明日松舞で会おうね。」
って、手を振りふうた君と分かれた。
又、会えるって分かっていても、やっぱりサヨナラを言う瞬間は胸がキュンッと締め付けられる。
でも、これからは、サヨナラじゃなくて、おやすみを言う日が、増えるのかも
しれない。
それはそれで、ちっちゃな胸がキュンとなるんですけどね(^^ゞ

♪♪♪・・・
あっ、お姉ちゃんからメールです。
何々・・・「ふうた君にちゃんとチョコ渡せた?」
あ~、すっかり雰囲気に流されちゃって、渡すの忘れてました。
かわいいトリュフを買っておいたのに~(´ヘ`;)
「え~っと・・・私は今から大阪行くから、帰りはふうた君と合流して、ふうた君のお父さんに連れて帰ってもらって下さい。ふうた君のお父さんには、さっきお願いしたから。では、宜しく~」
あ~、お姉ちゃん、元々そう言うつもりだったから、アパート探しに付き合うの乗る気だったんだ・・・(」゜ロ゜)」ナント~


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テーマ:バレンタイン - ジャンル:恋愛

昨日と違う。今日もまた新しい朝
20090320132708
松舞より温かいですけど、やっぱりまだ東京も朝は寒いです。
おはようございます、颯太です。
――――――――― 3月20日 ―――――――――
「やっぱ、寒いね~」俺の横で、朝ちゃんはは~って息を手に吹きかけてます。
「あげだな」って、言いながら深く深呼吸をしてみる。
冷たい空気が、一気に肺に入り、思わず噎せそうになる。
反対側のホームに電車が、静かに滑り込んで来る。
見上げた空は、グレーだった。


昨日の「サンライズ出雲」に乗って、今、東京駅に着きました。
今日から、東京でお互い生活を始めます。
松舞のホームでは、モリヒデやヒグラシ達が見送ってくれました。
列車の扉が閉まり、電車が動き出す瞬間は、少しだけ、寂しい気持ちと不安な気持ちが、入り交じった複雑な、気持ちになりました。
そんな顔を、見られたく無くて、少し顔を逸すと、目に涙を浮かべた朝ちゃんが…
俺は、無言で彼女の手を握り締めた。
「はっ」っと、俺の方を見る。
視線を逸らさずに俺は、「大丈夫だよ。これからは、ずっと側に居てあげるから」って、呟いた。
朝ちゃんは、小さく頷き、俺の手を強く握り返してきた。
そうだよね、俺がしっかりしなきゃ…


静かに、列車がホームに滑り込んで来た。
う~ん、まだ朝早いって言うのに、乗客が多いです。
自分の荷物に、朝ちゃんの荷物も抱えて、人の波に流される様に、乗り込んだ。
「凄い混んじょ~な、大丈夫?」
ちっちゃな朝ちゃんが、押し潰されない様に庇いながら、彼女の顔を覗き込む。
朝ちゃんは、俺に身体を寄せて来た。
「これからも、こうやって、守ってね」
小さな声で、呟いた。
周りには聞こえない様な小声で、「あぁ」とだけ答えた。
何か照れくさいなって、ドアの上の路線図に視線を逸らし、頭の中で今日の予定を、シュミレーションしてみた。
山の手線で、渋谷に向かい、東急田園都市線に乗り、三軒茶屋で降りる
朝ちゃんのアパートに荷物を下ろしたら、渋谷に戻り京王井の頭線に乗り換えて、下北沢の自分のアパートに行く。
渋谷まで、あと何駅だろうと思い、もう一度、路線図を見る。
え~っと、東京駅を出て、さっき止まった駅が、錦糸町だから…
錦糸町錦糸町…
あれ(゜_。)?
山の手線を二週しても、そんな駅名無い。
今度は、東京駅から、伸びている他の路線を追ってみる。
あっ有りました♪
総武線快速でした……って、電車が違うじゃん!
あちゃ~イキナリ電車間違えた。
「アノネ朝ちゃん、電車間違えたみたい、ゴメン」
「あっやっぱり~」
「山の手線って、緑色って、聞いてたから、電車に乗る時、アレッて思ったの」
いや、それなら早めに言って欲しかった様な…
取り敢えず次の停車駅新小岩で、人の壁を掻き分ける様に降りた。
「ゴメンな朝ちゃん」
ボソッと呟いた。
朝ちゃんは、クスッて笑い俺の手を強く握り締めた。
「気にしてないよ。颯太君と一緒なら、何処へ行っても、恐くないから。」
少し俯き、朝ちゃんの手を握り直した、俺に少し暖かい風が吹いた気がした。

テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

二人旅
「うわぁ~、見て颯太君、きれいな魚が一杯泳いでる~」
頭上へと伸びる水槽を見上げると、そこには沢山の熱帯魚が泳いでいた。
こんばんわ、颯太です。
―――――――――5月2日(土)―――――――――
今日は、朝ちゃんと、横浜に在る水族館に行って来ました。
下北沢から三軒茶屋まで、軽くランニングして三軒茶屋の駅で待ち合わせ。
そこから、地下鉄で渋谷に出て、JRで横浜に向かう・・・
水族館と遊園地を堪能したら、今度は鎌倉や湘南に足を伸ばす。
そして、最終までには三軒茶屋に帰る。
・・・う~ん我ながら健全で完璧なプランだ♪

水槽にへばり付く様に、泳ぐ魚を見つめる朝ちゃんの横に並んで、一緒に水槽を眺める。
ナポレオンフィッシュや、エンジェルフィッシュが、優雅に泳いでいる。
ちらっと、朝ちゃんの横顔を盗みみる。
相変わらず、色白でかわいいよな♪
俺の視線に気が付いたのか、朝ちゃんが俺の方を向く。
「ん?何、顔に何か付いてる、颯太君?」
「えっ・・・いや・・・別に」
慌ててもう一度水槽を見つめる。
ん~幸せです(*^-゚)vィェィ♪
水族館を堪能した後は、遊園地です。
実は、ジェットコースターって始めて乗るんですよね・・・俺

う~ん、世界が回ってます・・・
コースターが、ゴトゴトと坂を昇っていく段階から俺は「ヒエッヒエッ」って情けない声を上げてました。
朝ちゃんは結構平気みたいで、「うわぁ~高くまで昇った~」なんてはしゃいでました。
う~ん、ジェットコースターはもうこりごりです。
次は、しっとりと観覧車で・・・へへっ、こっそりと観覧車の中で、キスしちゃいました♪
お昼は、遊園地のベンチで朝ちゃんの手作りサンドイッチです。
昨日の夜、がんばって焼いたって言っている、ローストビーフにオムレツとレタスのサンドです。
付け合せはグリーンサラダ。デザートは生クリームたっぷりのフルーツサンドでした。
あ~、朝ちゃんの料理は、贔屓目なしに美味しいです♪
クスクスって、横で朝ちゃんが笑ってる。
「颯太君、ほっぺたにオムレツがくっ付いてるよ、子供みたい・・・」
そう言いながら、俺のほっぺにキスする様に、唇を寄せてきた。
・・・・・なんか、東京に来て朝ちゃんが大胆になった様な気がするのは、気のせいでしょうか?
やっぱり、朝ちゃんはず~っと朝ちゃんのままで居て欲しいってのは、俺の我侭なんですかねぇ・・・
一緒に居る時間は増えたんだけど、その分少しづつ変わっていく朝ちゃんを、感じ取れます。
「どうした颯太君?、オムレツに玉子の殻でも入ってた?」
「あっ、ごめんごめん。何でもないよ、ちょっとぼ~っとしてた(^^ゞ」
「はい、コーヒー」そう言いながら、ポットに入れていたホットコーヒーを、俺に差し出した。
まだ薫り高い熱々のコーヒーを口に含んでみる。
深みの在る苦味、少な目の酸味・・・うん、俺の大好きなコーヒーだ。
そう言えば、高校で出会った頃、朝ちゃんはコーヒーが苦手で、いつも紅茶かジュースを飲んでいた。
いつも間にか、俺の隣で普通に濃いコーヒーを飲んでいる。
きっと、あの頃から少しづつ朝ちゃんは変わっていってた・・・いや、成長してたんだろうなぁ
それに引き換え、俺は、いつもで経っても高校生の時となんら変わっていない。
松舞を旅立ったあの朝に誓ったはずなのに・・・
「あっ、コーヒーが濃かった?」
その声に我に返る。
「いや、美味しいよ♪」
何も、今そんな事考えなくても良いよな・・・今は今を楽しむ、それが俺のスタイルなんだから。
「さて、お昼ご飯も食べたし、そろそろ鎌倉に向かおうか。」
ささっと、お弁当箱を片付けた朝ちゃんは、「うん」って頷くと、俺の腕に手を回してきた。
ずいぶん、腕を組むのにも慣れてきたけど、やっぱり少し照れくさいです。

次の目的地は鎌倉です。
特に、これって言った目的は無いんですが、鎌倉です。
ほら、サザンの曲にも有るし、山陰からじゃ滅多に行ける場所じゃないですからね。
ただ、陸上部の先輩に、「鶴岡八幡宮だけは、カップルで行くな」って言われました。
何でも、祀ってある神様が女性で、カップルで行くと焼きもちを焼いてしまい、別れさせられるらしです。
そんな、恐ろしい場所には絶対行きませんよ(笑)
僕達が向かったのは、町の外れに有る小さな喫茶店。
朝ちゃんと一緒に旅行雑誌の鎌倉特集を見ていたら、紹介されていたお店なんです。
なんでも、生活雑貨を扱うお店の一角を、カフェとして提供しているらしい。
お気に入りのカップを店内で買ったら、そのカフェで早速使わせてくれるらしいです。
女の子って、こういった生活雑貨が好きですよね。
朝ちゃんも例外ではなく、アパートのキッチンは、黄色と緑できれいにコーディネイトされてます。
ふたりで、店内を見て周り、白地に黄色い水玉模様のお揃いのコーヒーカップを買いました。
これは、朝ちゃんのアパートに置いておくそうです。つまり、朝ちゃんのアパートで過ごす時用です♪
さっそく、そのカップでカフェオレをマスターに入れてもらいました。
ログハウス調の店内には、窓から太陽が差し込んでいて、とても気持ちいいです。
カフェオレと一緒に運ばれてきた、サービスのクッキーも美味しくて、もう幸せ一杯です。

時計を見ると、もう4時を回ってます。
そろそろ、次の目的地、湘南海岸に向かわなきゃ・・・。
二両編成の湘南電車は、松舞の電車と違い、なかなかおしゃれでした。
家と家の間を、すり抜ける様に電車は走っていきます。
目的の湘南海岸には、日没ギリギリに着きました。
そうでした、関東は山陰より東に有るから、日没が早いんですよね(^^ゞ
夕焼けを楽しみにしてたんですが、残念ながら夕焼けを見る事は出来ませんでした。
う~ん、失敗です。
「夕焼け見れんかったな・・・」
「えっ、そんなん全然気にしないよ、颯太くん。それより、お腹空かない?」
確かに、鎌倉の喫茶店は歩いて往復したから、お腹がペコペコです。
「さっき、海岸沿いにマックが在ったよね。マック入る?」
「うん、なんか海沿いのマックって、おしゃれな感じだよね、あそこに行こう。」
気を取り直して、俺は朝ちゃんの手を握り、歩き出した。
窓際の席に座り、二人で止め処の無い話をして過ごした。
今日一日、すーっと一緒に居て、話す事なんて無いとも思ったが、色々な話で盛り上がりました。
「今だから言えるけど、高校一年の灯篭流しの晩ね、かなかなとモリヒデ、一緒に花火をしてたんだって。んで、本当は大家さんに家まで送ってもらう予定だったんだけど、町内会のみんなが集まって飲み始めちゃったから、仕方なくあのアパート泊まったって言ってたよ。んでね、その時あの二人初キスしたんだって」
あ~、そんな事有ったんだ。確か翌朝、ヒグラシの家に行ったら、モリヒデが朝ごはん食べてたんだよな。
花火かぁ・・・
!そうだ・・・
「朝ちゃん、今から花火しようか。さっき、コンビニ寄ったら少し売ってたじゃん」
「えっ、花火?・・・少し季節が早い様な・・・でも、楽しそうだね。行こう行こう♪」
うん、夕日は見れなかったけど、他に思い出が作れそうです。

コンビニに売っていたのは、手持ち系の花火だけでしたが、それでも少しは楽しめそうです。
「うわ~、キレイ~」
屈み込んで、手牡丹花火を食い入る様に見つめる朝ちゃん。
花火の明かりに、照らされた笑顔がまた、可愛くて。
思わず、顔を近付けてみる。
「ちょちょっと、颯太くん花火持ったままは危ないって~」
そ・・・そうでした・・・花火持ったままでした。
最後の手牡丹花火は、一緒に持って火を点けました。
ポトッって落ちた火が消えるまで二人で静かに眺めていた・・・
「終わっちゃったね、花火・・・」
「うん・・・」きっと、高校一年の夏休み、モリヒデとヒグラシも同じ様な会話をしたんだろうな。
顔を上げると、朝ちゃんが目の前に居て・・・俺を見つめている。
波打ち際に座り込んで、話をする訳でもなく、波の音を二人静かに聞いていました。
遠くで電車の走る音がしています。
「・・・・・終電終わっちゃったね、颯太くん」
「えっ?ああ・・・」
朝ちゃんは、俺の手をキュって握っている。
俺も朝ちゃんの手を握る手に力を少し込めてみる。
「寒くない?朝ちゃん・・・」
「んっ、少し寒いかな・・・」朝ちゃんは、そう言うと俺に体を預けてきた。
朝ちゃんの肩をギュって抱きしめる。
砂浜の向こうには、明るいネオンが輝いている。
意を決して、俺は朝ちゃんに話しかける。
「朝まで、暖めてあげる・・・」
だぁ~、もっと気の利いた台詞が言えないのかよ俺。
朝ちゃんは小さく頷いた。

「ねぇ、颯太くん。電灯消して・・・恥ずかしいから・・・」
薄暗いベッドの上で、朝ちゃんの小さな胸が震える。
思わず、ギューって抱きしめてみる。
長いキスする。

朝ちゃんの白い身体が波打った。
寄せては帰す波の様に、甘美な時間が過ぎていった。


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テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

昼下がりの風景
「え~っと・・・後、買い忘れた材料は、無いわよね・・・」
真新しい黄色いフライパンに、黄色い柄のフライ返しまで、新調しちゃいました。
エコバッグの中からは、ニョキっとフランスパンとセロリが顔を覗かせてます。
おはようございます、朝葉です。
―――――――――7月18日(土)―――――――――
今日から、3連休ですね。
そして、東京も梅雨明けしました♪
いよいよ夏本番です♪
ちょっぴり、早くバイト代が入ったから(私は、バーガーショップ、颯太君はコンビニでバイトしています)、夏バテ気味の颯太君に、スタミナの付くご飯を作ってあげる事になりました。
「朝ちゃん重いだろ、エコバッグは俺が持つよ。」そう言うと、ひょいっと私の手から、エコバッグを颯太君は、取り上げた。
「あ、ありがとう」そう言いながら、私は自由になった右手を、颯太君の左手に絡ませてみた。
少し、照れくさそうに微笑む颯太君を見る。
う~ん、幸せです♪

彼の部屋は、2階の南角の部屋。
窓から、沢山の光が降り注ぐ明るい部屋です。
小さなベランダには、二人で買ったハーブの寄せ植えが、風になびいて・・・ギョッ!Σ(・oノ)ノ
ちょ、ちょっとぉ~萎れてんじゃないの~
う~ん、ここの所の陽気でスィートバジルに、イタリアンパセリに、ミントも、全部勢いを無くしちゃってます。(」゜ロ゜)」ナント
颯太君は、農業科出身だから、しっかり管理しているものと思っていたんですが、甘かったみたいです。ヾ(≧へ≦)〃
せめてもの供養に、今日はサラダに混ぜて美味しく頂いちゃいましょう(笑)

さて、冷たいレモネードで一息ついたら、さっそく料理の準備開始です。
颯太君も、私の努力の甲斐(笑)有って、少しずつ料理を覚え始めたんですよ。
今日だって、助手としてしっかり働いてもらいます♪
「颯太君、先ずは野菜とハーブ洗ってくれる?」
ホイホイって言いながら、流しに野菜を運んで、優しく洗う颯太君。私はその横で、ランプ肉の塊を下ごしらえします。
「颯太君、野菜は一口大にちぎってね。・・・う~ん、一体どんな大きな口開けて食べれって言うのよ~(笑)」
「こんな口」そう言いながら颯太君は、口を大きく開けてみせる。
思わず、二人で顔を見合わせて大笑いしちゃいました。
「あのね颯太君、こう言う塊のお肉は、表面を強火で焼いて、肉汁を中に閉じ込めてから、弱火でじっくり焼き上げるんだよ」
振り返ると、彼は冷蔵庫からビールを取り出して、飲み始めてました。( ̄ー ̄;ゞ ヒヤリ
「あっコラ、未青年が朝からビール飲んでるのよ~」
「だって、俺、喉がカラカラなんだぜ」そう言いながら飲みかけの缶ビールを私の目の前に差し出す。
「まぁ、確かにね」そう言いながら缶ビールを受け取り、私も少し口にする。
う~ん、冷たくて美味しいですぅ
そうだ、萎れたミントは、アイスミントティーにしようかな。
ティーポットに沢山のミントと砂糖を入れて、そこに熱湯を注ぐ。
後は、冷ましてからガラスのポットに移して冷蔵庫で冷やすだけ。

さて、ローストビーフを焼いている間に、副菜を作ります。
今日は、パスタの3種盛り合わせです。
ただ単に、何パスタを作るか、悩んじゃってしまい考えるのが面倒になったから、3種類作るんですけどね
バジリコパスタと、たらこパスタ、そして颯太君が大好きなペペロンチーノです。
たっぷりのお湯に、塩を少し入れパスタを茹で上げます。
「じゃあ颯太君、タラコをパックから出して、薄皮ごと刻んじゃってくれる?それが終わったら、大葉を刻んで、ニンニクも1片皮を剥いて・・・うん、そうそう潰してからみじん切りね」
颯太君も、ずいぶん手順を覚えたみたいです♪

あ~しかし暑い・・・
もし今一人だったり、かなかなと一緒だったら、きっとスカートの裾を持ち上げてパタパタ風を送っているかもしれません、一寸はしたないですけど・・・
なんて、考えているうちに、キッチンタイマーが茹で上がりを知らせてくれました。
茹で上がったパスタを丁寧にトングですくい上げて、1/3程残してボールに移したら、手早くバターを落として馴染ませます。「颯太君、じゃあボールの中のパスタを半分に分けて、半分はタラコを混ぜて、お皿に盛りつけてから大葉を散らしてぇ。もう半分には、棚に有るバジリコを振ってよく混ぜて、飾り付けに萎れちゃったスィートバジルを盛り付けちゃって♪」
颯太君が、2つのパスタを仕上げる間に、私はペペロンチーノを作らなくっちゃ。(^^ゞ
フライパンに、エキストラバージンオリーブオイルを入れて、刻んだ鷹の爪とニンニクを入れて、弱火で温めていきます。
オリーブオイルに十分にニンニクの香りが行き渡ったらニンニクと鷹の爪を一度取り出して、残りのパスタを入れて軽く炒めます。
それをお皿に盛り付け、フライパンから上げておいた鷹の爪をふりかけ、さらに油でカリカリになるまで揚げたニンニクのスライスを乗せれば、ペペロンチーノの完成です。
そろそろ、ローストビーフも、いい感じに焼けてきました。
ローストビーフをフライパンから取り出し、まな板の上で少し冷まします。
すぐに切っちゃうと、切り口から肉汁が染み出て、ジューシーじゃなくなりますし、見た目もホラー映画みたいですからね。Σ(゜ロ゜ノ)ノ ヒィィィィ!
フライパンに残った肉汁に水を少し加え、火に掛けバターを落として、小麦粉を加えてとろみを付けます。
隠し味に少し醤油を落として、ワサビを加えて、ひと煮立ちさせれば、和風わさびソースの完成です♪
そうそう、デザートを忘れてました。w(°0°)w オォー
冷蔵庫を覗くと、昨日作ったカルボナーラパスタの残りの材料の生クリームと、先週チョコっと里帰りした友達のお土産のカステラが・・・
う~ん、シンプルにカステラに生クリームを添えようかなぁ?
「朝ちゃん、この前言っていた、チョコケーキ作ってよ~」
最近気が付いたんですが、颯太君って結構甘い物が大好きなんですよね。
「ん~、食べたい?」
うんうんって、大きく頷く颯太君が、妙に可愛くって思わず「分かった」って言いながら、ほっぺにチュッてキスしちゃいました。(●´ω`●)ゞテレ

チョコケーキと言っても、火を使わない小さな子供でも簡単に作れるケーキなんです。
ネットサーフィンしてて、偶然に見つけました。
先ずは、カステラをおろし金で、粉々に崩します。
そこに、ココアパウダーと生クリームを加え、香り付けのフレーバー・・・バニラエッセンスとかラムエッセンスとか(今回は、颯太君がカクテル用に買っていた、ホワイトラムを惜しげもなくチョイス)を加えて、よく混ぜ合わせます。
しっとりした生地に仕上がれば、後は手で丸めてボール状にするか、焼き型に押し詰めて冷やすだけ。

さて、最後の盛り付けしちゃいますかぁ。
かなり大口の一口大に切った、レタスやキュウリ、セロリにトマト、あと飛び入り参加のイタリアンパセリとスィートバジルを、大きめのお皿に盛り付けます。
仕上げに、おやつのポテトチップを粉々して振りかけます。
ドレッシングは、シーザードレッシングをチョイス♪
ローストビーフは、肉の繊維方向を見極め、繊維を太刀切る様に切ります。
以前作った時は、切る方向を間違えて、いくら噛んでも噛みきれない安いお肉みたいな(まぁ、ランプ肉自体安いんですが)仕上がりになっちゃったんです(T-T )( T-T) ウルウル
薄く切ったら、お皿に盛りつけ白いスフレ皿入れた、わさびソースを添えます。
ふぅ~何とか、お昼に間に合いました(*^-゚)vィェィ♪
「朝ちゃん、今日は何飲む? ワインクーラーかラムベースのダイリキ、キューバリバー辺りが作れるけど・・・後は、ビールベースのジンジャーガフか、レモンシャンティー、コロナビールっぽくライムを絞るのも出来るけど・・・飲み易いのは、ワインクーラーかな~」
ふふ・・・最近颯太君は、カクテル作りにはまっちゃってます。
「そうねぇ~・・・じゃあワインクーラーちょうだい♪」
カクテルと言っても、オレンジジュースとワインを混ぜただけなんですが・・・
颯太君は、冷蔵庫からジンジャーエールとビールを取り出しています・・・ジンジャーガフを作るみたいです。

「それじゃあ、あらためて、乾杯~」
グラスを軽く重ねます・・・
オレンジジュースの酸味と甘み、ワインの香りが調和してとっても美味しいです。
「んじゃあ、早速、ローストビーフ頂きま~す!」
「あっ、颯太君ちゃんと野菜も食べてよね、繊維質もしっかり取らなきゃぁ」
「う~ん、このわさびソース美味しいねぇ・・・ご飯にかけて食べたいくらい・・・」
こらこら、人の話聞いてんの(-“-)
颯太君が、ソースを絡めたローストビーフを、私の口元に運ぶ。
少し照れくさいけど、パクッて頬張ってみる。
あっ、確かに、ワサビの香りと醤油の香り、バターの香りが程良く調和していて、美味しいです。
(正直、自分でもビックリ)
「お~、ペペロンチーノ、唐辛子が利いてるねぇ~。バジリコパスタも美味しいし・・・。そう言えば、このスィートバジルの葉っぱ使ったパスタも有ったよね~?」
ああぁ・・・それは確か・・・ジェノベーゼですね。
「うん、ジェノベーゼ。じゃあ今度作ってみようか? あと、ピザに乗せてピッツアマルガリータなんてのも有るよ。確かこの前ネットサーフィンしてたら、レシピが出てた。」
「あっ、マルガリータって、そう言うピザなんだ。さすが料理に関しては詳しいね~」
「関しては・・・! ひっど~い(笑)」
たらこパスタを頬張りながら、私は拗ねたふりをしてみる。
「あはっ、ゴメンゴメン」
「罰として、洗い物は全部お願いね・・・」
「うっ、マジ?」
と言っても、作りながら洗い物もしてたから、実際テーブルの上に有る食器類位なんですけどね。

・・・・・・さすが男の子です。
テーブルの上に有ったローストビーフにサラダにパスタ、全て無くなっちゃいました。
少し位は夕ご飯のメニューに加えれるかと、思っていたんですが・・・
まぁ、作る方としては、ここまで綺麗に食べてもらえるのは、嬉しい限りなんですが♪
「う~ん、何回洗っても、お皿がヌルヌルした感じが取れないなぁ・・・」
ブツブツ言いながらも、颯太君はちゃんとお皿を洗ってます。
ふふっ・・・
さて、ご褒美のデザートを私は仕上げましょうかね。
四角い焼き型に入れたチョコケーキを冷蔵庫から取り出して、丁寧に型から取り出します。
均等に切り分けて、残りのココアパウダーを振りかけます。
残りの生クリームをホイップして、お皿に添えて、ミントの小さな葉っぱを乗せれば出来上がりです。
ティポットにオレンジペコの茶葉を入れて、お湯を注ぎ蒸らします。
・・・颯太君、洗い物終わったみたいですね。
チョコケーキとティポットを、テーブルにセットして、ゆったりと午後のティータイムです。
颯太君が、生き残った部分のスィートバジルを、小さな鉢に植え替えて、テーブルの上に置きました。
うん、おしゃれな感じですよ♪

オレンジペコの香りに包まれながら、ゆったりした時間が流れます・・・
う~ん、本当、幸せです・・・
一生このままで居れたら最高ですよね。
もちろんテーブルの向こうの笑顔は、颯太君です。
そして傍らには、私たちの子供が、口の周りをココアパウダーで汚しながら、チョコケーキを口一杯に頬張って・・・
ほっぺに付いた生クリームを、ほっぺにキスする様に取ってあげながら・・・
んふっ、考えただけで、幸せです♪
視線を颯太くんに移すと・・・
∑(゚ω゚ノ)ノ
目の前に、口の周りをココアパウダーで汚しながら、チョコケーキを頬張る颯太君が居て・・・
う~ん、ここに子供みたいな男の子が居たわぁ(笑)
生クリームはほっぺに付いてないけど、今日何回目かのキスをほっぺにした・・・。ハーブ




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テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

花火の夜に
久しぶりに、松舞のホームに降り立ちました。
たった4カ月しか経っていないのに、少し懐かしい気分です。
ここだけの話ですが、改札を抜ける時、一瞬Suicaを探しそうになりました(笑)
山陰には、Suicaどころかpasmoもicoccaも無いですからね。
うちの母に話したら、「スイカなら、店に一杯有るわよ」なんて、ボケをかますんでしょうか?
こんばんわ、朝葉です。
―――――――――8月8日(土)―――――――――
颯太君が、週末まで陸上の練習が有った関係で、お盆前の帰省になりました。
毎年恒例の松舞花火大会には、間に合いました。
「じゃあ、また今夜ね」そう言って、颯太くんが手を振ってます。
「うん、また後でね♪」
私も手を振り替えし、それぞれ帰路についた。
♪♪♪
あれ?電話です。
はいはい、誰でしょう?
かなかなからです。
「もしもし~、うん、今着いた。うんうん、じゃあ今夜そっちのアパート集合ね♪」
さぁ、今年も頑張って、ヨーヨーを沢山取るぞ~。
知らない人も居るんでしょうが、私は松舞でも有名な、夜店荒らしなんです(笑)

自宅に帰ってとたん、家の掃除や、店番をさせられてました。
う~ん、長旅の私を少し位いたわってくれても、いいと思うんですが(^^ゞ
夕方、お父さんが配達から帰ってきた時、ドタバタに紛れて家を抜け出す事に成功♪

颯太くんのアパートに向かって、国道を歩いていたら後ろから走ってきた車が私を追い越して、ウインカーを出して止まりました。
「あ~さ~ちゃん」そう言って、助手席の窓から顔を出したのは、モリヒデ君でした。
「あっ、モリヒデ君、久しぶり~。これが買った車なの?」
意外と可愛い車です。
「おぅ♪ 今から、ふうたんち行くんだろ? 乗れよ。今、俺、仕事帰りなんだ」
「そっか、お疲れ様。」そうでした、モリヒデ君は4人の中で唯一社会人でした。
モリヒデ君の車の助手席にチョコンと座る。
「私が乗っちゃって、かなかなが怒らない?」
「関係ないよ、アイツは」
あらら、相変わらずなセリフですね(笑)
後で、かなかなに報告しちゃおうかな♪
う~ん、さすがに車は早いですね。
歩いて30分かかる道を5分で着いちゃいました。
「あれ?モリヒデ、朝ちゃんと一緒だったの?」
モリヒデ君の車に気が付いたかなかなが、玄関から駆け降りて来ました。
「おう、国道をトボトボ歩いてたからな」
どうせ、私は歩みがのろいですよ~
「大丈夫、朝ちゃん?変な事されなかった?」
「あのなぁ~、ヒグラシ」
「うん、少しだけ危なかった」
「んもう、緑川まで~」
私達の話し声に気が付いて、颯太君も降りてきました。
「何?朝ちゃん、モリヒデと一緒だったの?大丈夫だった」
「だぁ~お前らなぁ~」
久しぶりに4人が揃いました。
やっぱり、友達って良いですね♪
「どうする?少し早いけど、出掛ける?」
「あっ、モリヒデ。楓ちゃん達待たなくていいの?」
「んっ?あいつとは会場で合流だから。」
楓ちゃん・・・モリヒデ君の妹さんですね。
そう言えば、かなかなから青木君と付き合っているって、メール着てましたね。


「せんぱ~い、待って下さいよ~」
心の中で叫んでみる・・・
あ~、花火大会ってどうしてこんなに人が多いんでしょう?
人波に飲み込まれて、青木先輩と逸れちゃいそうです。
「ほら、こっちだよ。」グイっと先輩に手を引っ張られた。
「スイマセン、人が多くって」
先輩が離した手を、ぎゅって握ってみる。
「あぁ、多いよな人が」先輩は、少し照れ臭そうに、私の手を握り返す。
こうやって手を繋いで松舞の街を歩けるなんて幸せかも♪
「んで、楓ちゃん、モリヒデ先輩とは何時に待ち合わせ?」
「え~っと、七時に松舞橋の袂です。ちょうどいい時間に着きますね。そうそう、緑川さん達も一緒だそうですよ。」
「へぇ~、緑川先輩、松舞に帰って来てたんだぁ。会うのブラバンの送別会以来だな」
「美人なんでしょ、緑川さんって? 青木先輩も憧れてました?」ちょっと意地悪な質問をぶつけてみる。
「えっ? いや、緑川先輩には陸上部の彼氏が居たからなぁ~」
あぁ、颯太さんですね。
もし、颯太さんが居なかったら、どうしたんでしょうね青木先輩は?
ちょっぴり、焼いちゃうな緑川さんに。
私だって、颯太さんには少し憧れてたんですから~
私の表情の変化に気が付いたのか、「楓ちゃんが一番だから」って、青木先輩が私の手をギュって握ってきた。
「うん、ありがとう、青木先輩。」そう言う代わりに、私もギュって手を握り返した。

「楓ちゃ~ん」橋の欄干の所で、カナエさんが手を振ってます。
隣に居る小柄な女の人が、緑川さんですね! 
う~ん、確かに美人です。
颯太さんが、メロメロになるのも分かりますわぁ。
「こんばんわ、佳奈絵さん。あっ、緑川さんですね、初めましてモリヒデの妹の、森山楓です。いっつも、うちの兄がお世話になってます。」
うっ、つい畏まって言ってしまった。
緑川さんも軽くお辞儀をされて、「初めまして、緑川朝葉です。お世話だなんて、私の方がお世話になってばっかりで」
「はいはい、固い挨拶はそこまでにして、さぁ楓ちゃん、青木君、向かうわよ。」
「はい、分かりました。あれっ?うちのお兄ちゃんは?」
「んっ? あいつは先に颯太君と場所取りしてるから。」
橋の反対側の河原に、場所が取って有るそうで、そっちに向かって歩き出しました。
私の前を、青木先輩と緑川さんが、楽しそうに近況報告をし合いながら歩いてます。
分かっているけど、仲良く話しているのを見ると、焼いちゃいますね。
緑川さんが少し歩幅を狭め、私と青木先輩、緑川さんが三人横に並びました。
そして、「ねぇ楓ちゃんも、フルートなんだよね。」って話し掛けてきました。
「はい」って答えると、「じゃあ、きっと私が使っていたフルート使ってるね、少しキーが固くなっている所も有るけど、可愛がって使ってね。」って、話してこられた。
う~ん、美人なだけじゃなくて、優しい人なんだ。
そして、すっと歩みを早め、佳奈絵さんとお喋りを始めた。
ひょっとして、私の事気遣って、青木先輩とさりげなく離れたのかな?
う~ん、すごく気の付く大人な女性なんですね。
颯太さんがぞっこんなのも分かるわぁ
私もあんな素敵な女性になりたいな

河原に大きくシートが広げてあり、男の子が二人座ってビールを飲んでました。
「あ~、颯太君またビール飲んでる~」
女の子が、怒った様に駆け寄って行ってます。
あの声は、朝葉?
よ~く目を凝らして見ると、やっぱり、朝葉や颯太君、森山君達でした。
そ~っと、颯太君の後ろに周り込み、「こら~」って、叱って見る
ビクッって、振り返る颯太君の表情がおかしい。
「日向さん」「おネエちゃん」
皆が、顔をそろえてこっちを見上げる。
「ダメよ、颯太君、未青年がそんなに飲んじゃあ(本当は、1滴でも駄目なんですけどね)」
私はそう言うと、土手を駆け上がり、保母仲間のみさちゃん先生と合流した。
「日向先生、知り合い?」
「うん、うちの妹とその彼氏達なんよ」
「いいわね~、若い子達は」
ちょちょっと、みさちゃん、私達だって十分若いんだから~
今から、そんなオバさん臭い事言わないでよ~
でも、確かにうらやましいかも。
朝葉達は、カップルで楽しんでいるのに、洋介は今夜も残業らしい。
みさちゃんは、一番仲の良い先生だけど、やっぱり女同士じゃなくて、彼と花火見たいわよね
「あ~、ひなたしぇんしぇ~だ~」
あらら、うちの園児の美結ちゃんが親子3人で立ってましたです。
「美結ちゃん、こんばんわ」
「こんばんわ、日向先生」
お母さんの真子ちゃんが、ぺコンと頭を下げる。
「ほら、美結ちゃん挨拶は?」
「ひなたしぇんしぇ~、こんばんわ。しぇんしぇいは、かれしと、はなびみないの?ひょっとして、ぼしゅーちゅー?、あっごめん、ふられたのかな?」
一瞬、周りの空気が凍り付いた。
お父さんの幸一君がフォローを入れてくれた
「こら、美結。日向先生にだって、大人の事情ってもんが有るんだから、そんな事言わないの」
うぅ、フォローになってない様な・・・
「そうよ、美結ちゃん。日向先生だって、好きで一人な訳じゃないんだから・・・あっゴメン日向・・・」
ううう、木下君に、真子まで・・・。
「あのね美結ちゃん、先生の大好きな人は、今日、まだお仕事なのよ。だから、先生今夜はみさちゃん先生と花火見るのよ。」
「ふ~ん」美結ちゃんの興味は、縁日の綿菓子に移ったようだ。
「んじゃあね、日向ちゃん。あっ、お盆の同窓会来るんでしょ?」
「うん、行く行く。じゃあね、木下君真子ちゃん♪」
木下夫妻は、美結ちゃんの後を追って、縁日の方に歩いて行った。
「災難でしたね、日向先生。子供達って、遠慮なく、大人じゃ聞けない事聞いてきますよね。」
・・・みさちゃん、あんたも興味有るんだ(^^ゞ
「んもう、みさちゃんまで~。本当に彼は残業なんだから」
「え~、日向先生、彼氏居たんですか?ずるいずるい、私にも紹介して下さいよ~」
「はいはい、そのうちね・・・ほら、みさちゃん。早くしないと花火始まっちゃうよ。」


「ンックション・・・」
う~、誰だよ・・・クーラーの温度設定をかまったのは・・・クーラー効き過ぎだよ
「村田さん、お先に失礼しま~す」
後ろで、後輩が話しかけて来た。
「おう、お疲れ~」
喫煙室にたばこを吸いに行った。
たばこに火を点け深く吸い込む。
窓の外から、花火の音が聞こえてきた。東京じゃあこの時期毎週花火大会が有るからなぁ
そう言えば、今日は松舞も花火大会だよな。
日向の奴、どうしてるかな?・・・
くっそ~、来年こそは、花火大会を日向と一緒に見るぞ~


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台風が近づく夜に
今年2回目の、台風が東京にやってきました。
随分と風も出てきました。
こんな日に限って、頼りになる颯太君は、大会の為遠征中です。
こんばんわ、朝葉です。
―――――――――10月26日(月)―――――――――
窓を叩く雨音が一段と激しくなってきました。
ゴーッって風が吹き抜ける音がしたかと思ったら、電灯が一瞬チカチカ点滅しました。
停電?
いや~ん、私、実は暗闇恐怖症なんです。最近やっと、オレンジの常夜灯で眠る事出来る様になったんですが、以前は電灯点けたままでないと眠れなかったんです。
颯太君と一緒なら、真っ暗でも安心して眠れるんですが、一人の今夜突然停電したら、パニックに陥りそうです。
壁に持たれ掛かる様に坐ってるピーターラビットのぬいぐるみを、ギュッと抱きしめてみる。
ふっと、颯太君の香りがした。
???
何で?
あれこれ、この一週間の二人の事を思い出してみる。
月曜日・・・私のバイトが残業になってしまい、渋谷のハチ公の前で、待ちぼうけを食らわした。その後、お気に入りのイタ飯屋で、ピザを食べた。
火曜日・・・颯太君のアパートで、一緒にTVを見てた。私そのまま、寝てしまい、慌てて水曜日の朝アパートに帰って、学校に出掛けた。
水曜日・・・学校帰りに、友達と新しく開店した焼き鳥屋で、恋バナで盛り上がった後、颯太君に会いたくなり、三軒茶屋のマックでお茶しながら、明け方までおしゃべりしてた。
木曜日・・・お昼位まで、寝てた(笑)。午後から授業に出掛け、夕方から夜までバイト。
金曜日・・・颯太君の、プチ壮行会をうちのアパートでやった。
調子に乗って二人でワインを2本も空けちゃって、そのまま二人とも爆酔(^_^;)
明け方、火曜日とは逆にソウタ君が、焦って自分のアパートに帰って、集合場所の渋谷駅に向かった。
ん? そう言えば私のアパートを飛んで出る前に、お気に入りのコロンを付けようとして、コロンの瓶をひっくり返したって、騒いでいました。
そう、颯太君の香りは、シトラス系のコロンの香りなんですよ。
つまり、こぼしたコロンが、私のピーターラビットのぬいぐるみにかかったって、事な訳ね。(-_-;)

もう一度、ピーターラビットをギュッって抱きしめてみる。
ソウタ君が、ここに居る訳じゃないのに、私のそばに居る様な気分になる。
風の音も激しい雨も、気にならない。
不思議と、落ち着いた気分で居られる、自分に気が付いた。
今夜はこのまま、ピーターラビットを抱いて寝ようかな。
電灯を消して真っ暗にし、ベッドに潜り込む。
フワっと、優しい香りに包まれた。
一人じゃない、ソウタ君がそばに居る。
そう思うと、暗闇も怖くない。
私は、ゆっくりとピーターラビットを抱きしめる。
そして「おやすみ」って、キスをした。

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Sweet
クリスマスイブイブの三軒茶屋は、人が溢れかえっています。
人込みを避けて、駅の改札前で待ち合わせ。
それにしても遅いなぁ颯太君・・・
こんにちは、朝葉です。
―――――――――12月23日(水)―――――――――
地下のホームから上がってくる人波を、何回チェックした事か。
次の列車だろう・・・って、思いながらもう5本は電車が過ぎて行きました。
また、電車が入ってきました・・・
ホームの階段を駆け上がってくる人が・・・颯太君です。
「ごめん、朝ちゃん待たせたね」息を切らせながら謝ってくる颯太君。
「大丈夫だよ・・・」汗だくの颯太君を見たら、遅刻した事なんかどうでも良くなりました。
今日はこれから、私の家でクリスマスパーティーです。
小さなツリーに、ささやかな食事しか準備出来ていませんが、誰にも邪魔されず二人っきりで過ごす、クリスマスは初めてだから、すごく楽しみです。
「あ~ぁ・・・」颯太君が、声を上げた。
何かなって、彼が見つめる右手を見ると、ぼろぼろの花束が・・・
「テーブルに飾ろうと思って買って来たのに、電車で揉みくしゃにされたからなぁ・・・」
「う~ん、でも残った部分だけで、何とか飾れそうよ・・・ありがとう颯太君。」ほっぺたに軽くキスをする。

アパートに帰って早速パーティーの準備です。
っと言っても、あらかた料理は出来上がってますから、テーブルセッティング程度なんですけどね。
颯太君が買ってきた花束も、きれいにセットしなおしてガラスコップに活けました。
「メリ~クリスマ~ス」そう言ってグラスを重ねる。
「颯太君が買ってきたこのスパークリングワイン、美味しいね。なんて銘柄?」
「いや、たぶん全然有名じゃないスパークリングワインだって。そうそう朝ちゃんこれ・・・ささやかだけど」そう言って颯太君がテーブルの上に、きれいに包装された包みを置いた。
「わぁ、ありがとう。開けてもいい」
「期待しないで、俺のバイト代くらいじゃあ、大した物は買えないからね。」
颯太君のプレゼントは、パステルピンクのカーディガンだった。
「あっ、かわいい♪ ありがとう、大切に着るね。そうだ私からもプレゼント有るんだ。」
私は、大きめの箱を颯太君の目の前に置く。
「えっ?何?この箱・・・大きさの割に軽い様な・・・」颯太君は、ガサガサと包装紙を剥がした。
「お~っ、これこれ・・・探してたんだよね~」颯太君へのプレゼントは、コーヒーキャトル。
注ぎ口が細く曲がっており、ジョウロみたいな形です。
いっつもコーヒーを淹れてくれる時、「コーヒーは、お湯の温度によって抽出される、うまみが違うから、糸の様に細くお湯を落として様々な温度で淹れるのが美味しいんだって」そう言いながら、ヤカンを上下させながらコーヒーを淹れてくれる。
でも、専用のキャトルじゃないから、お湯の量をうまく調整出来ずに苦労していたんです。
いつか欲しいって言っていたのを、覚えていたから、講義の帰りに東急ハンズで探して来ておいたんです。
嬉しそうな颯太君の笑顔を見ていたら、ほんと買って良かったって思えてきました。
「じゃあ、早速食後にコーヒーこれで淹れようね。冷めちゃう前に料理食べよ食べよ・・・」
「うん、ごめんね大した物準備出来なくって。」
「いや、朝ちゃんの料理が、一番のプレゼントだって。」
そう微笑んで料理を頬張る颯太君が、私には一番のプレゼントだったりします。
そうして甘いイブイブが始まって行きました・・・♪

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