松舞町ラブストーリー
山陰の仮想の町松舞町を舞台にした、様々な恋愛を見守ってやって下さいね。
カウンター

最近の記事

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

月別アーカイブ

カテゴリー

QRコード

QRコード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

午後のひと時
昼休み、クラスメイトといつもの様に図書館に出掛けました。
えっ?勉強熱心だねって?
いや、ただ単に静かに昼寝するか、漫画読んでるかなんですが。
こんにちは、本田健吾です
―――――――――11月13日(金)―――――――――
図書館の一番奥の窓際、そこが僕のお気に入りの席です。
今日は・・・おっ、空いてるじゃないですか。
先ずは、快適な眠りに誘ってくれる難しい本を、本棚からチョイスしてきます。
ふっと横を見ると、そこには口を少し尖らせた沢田先輩が、本棚の上の方を、じ~っと見つめています。
軽く背伸びをして、本棚の上の方の本を取ろうとしていますが、流石の先輩もあと少しの所で手が届かないみたいです。
「沢田先輩、どの本ですか?」先輩の横に立ち、本棚に手を伸ばす。
「あっ本田君、ごめん。もう少し右。そうその民族楽器大全集って本」
「これですね、はいどうぞ。返却する時は、また言って下さいね。」
「ありがとう。あれ?『進化論』なんて、難しい本読むんだ本田君」
「えっ?いや、これ位難しい本なら、ス~ッと眠れちゃいますからね」
沢田先輩が「なるほど」って笑ってます。
美人って、やっぱり笑顔も素敵ですね。
「沢田先輩だって、民族楽器大全集なんて、いくらブラスバンド部員だからって、滅多に読まないっすよ。」
「うん、ちょっと気になる楽器が有ってね。東儀秀樹さんって、知ってる本田君?」
「あっ、確かアルバムも出してる雅楽の人ですよね?」
「そう。東儀さんが吹く篳篥(ひちりき)って楽器が有るんだけど、その音がすごく素敵なのよ。ダブルリードの楽器で、音にビブラートがかかってて、一回聞いただけで気に入っちゃった。高音系の楽器なんだけど、すごく芯の強い音が出せるの。それもチャルメラみたいな下品な音じゃないのよ。」
「へぇ~、それってマックのCMで、伊東たけしと演奏する奴ですか?」
「あっ、そうそう。でもねあれって取り扱いが難しいらしいの。それで、代わりに気軽に吹ける楽器無いかなって、思って。本田君、心当たり無い?」
う~ん、ダブルリードってオーボエかファゴット位しか思い浮かばないなぁ
「すいません、思い当たんないですよ。」
「ううん、良いんだって。」そう言いながら、沢田先輩は席に坐り、ページを捲り始めた。
じゃあ俺は、向こうの席で昼寝でもしようかなって、振り向こうとした。
「あっ、見て見て本田君。ほらこの楽器、リコーダーの原型だって。」そう言いながら、本を隣の空いた席に差し出す。
えっ?それって、横に坐れって事?
沢田先輩に、心臓の音が聞こえやしないか、心配する位、脈拍が上がってます。
僕は本に注意を向ける振りをしながら、さりげなく沢田先輩の隣に坐った。
「ほら見て、リコーダーの原型ってこんな格好してたんだね。あっ、こっちにマリンバが載ってる。」
本を見る振りをしながら、チラチラと沢田先輩の顔を盗み見る。
夢みたいです、部活の時ならともかく、普段の生活中に沢田先輩が居るなんて。
今、憧れの沢田先輩と、時間を共有しているのだと思うと、それだけで幸せです。
「んっ?何?顔に何か付いてる?」
「えっ?いや、すいません」僕は、本の方に集中する。
「ナカナカこれって楽器無いもんですねぇ~」
「そうねぇ。そう言えば本田君はどうしてサックスを選んだの? 男子なら金管を選ぶ子が多いじゃない」
「僕ですかぁ? 父親の影響ですかね。父親も高校時代にジャズが大好きで、サックスを吹いていたらしいんです。だから小さい頃から、サックスに慣れ親しんでるんです。」
「へぇ~、じゃあジャジーなサックス吹けるんだ。」
「ええ、一応。ブラスバンドでは滅多に吹きませんけどね。」
「ねぇ、ジャズってどんな曲吹ける?」
「メジャーな曲だけですよ、茶色の小瓶とか、スターダストとか、あっピンクパンサーのテーマも得意ですよ。(笑)」
「あっ、スターダスト大好き~。ねぇ今度聴かせてよ」
「いや、人に聴かせる程の腕じゃないですから。」
「え~絶対に聴かせてよ。約束だよ」
そう言いながら沢田先輩が、僕の目の前に小指を突き出した。
少し照れ臭いけど、ゆっくりと沢田先輩の小指に僕の小指を絡めた。
「指切りげんまん、嘘付いたら針千本飲~ます。はいこれで、もう逃げられないからね♪」
「マジっすかぁ」沢田先輩に僅かながら触れた事自体がマジっすかぁなんですが。
「あっ、チャイムだ。」
早っ、もう少し沢田先輩と時間を共有したかったのに。
「本田君、じゃあゴメン。この本一度返しておいてくれる?」そう言って、頭を下げてきた。
「はいはい、それ位お安い御用ですよ。」
「それと本田君、良かったら明日もお昼休みに、楽器探すの手伝ってくれると助かるんだけど、駄目?」
駄目じゃないっす、もう一生付いていきますよ。
「いえ、大丈夫ですよ。いっつも昼休みは図書館に来てますから」
「助かるわ~ありがとう。じゃあ又、放課後ね。」
そう言って沢田先輩は、渡り廊下を小走りに去って行った。
そんな、沢田先輩の後ろ姿に手を振る。
突然、後ろからバシッと頭を叩かれた。
振り返るとそこには、クラスメイトの姿が・・・
「なんでお前が、学校のアイドル沢田さんと親しく喋ってんだよ~。」
あっ・・・僕はひょっとして、学校中の男子を敵に回しちゃったんでしょうか・・・


blogram投票ボタン

スポンサーサイト

テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

スターダスト
いつもの様に図書館に向かう
図書館に通じる渡り廊下から見る風景、見慣れているはずなのに、新鮮に見えるから不思議です。
こんにちは、本田健吾です
―――――――――12月04日(金)―――――――――
いつもの様に、窓際の席に坐る。
いつもと違うのは、向かい側には沢田先輩が坐っていて、文庫本を開いている事。
「遅いぞ、本田君。女の子を待たせちゃあ駄目でしょう」文庫本を閉じながら、そう微笑む沢田先輩
「すいません、途中で担任に捕まっちゃって」
「それで、早速だけどクリスマスコンサートの、ポスターの原案作って来た?」
「はい、ちゃんと作って来ましたよ」そう言いながら僕は、丸めた模造紙を、沢田先輩の目の前に広げる。
そうなんです、僕と沢田先輩は、クリスマスコンサートの広報担当なんです。
「へぇ~、キレイに仕上がってるね。本田君の意外な才能発見~」無邪気に笑う先輩の顔が、窓から差し込む日差しをバックにキラキラ輝いています。
そう思えるのは、僕の思い過ごしでしょうか?
「意外って、どう言う意味なんですか、先輩~」
「んふふ、ゴメンゴメン」
「沢田先輩こそ、ちゃんとキャッチコピー考えて来ました?」
「ほら、見てよ。沢山考えて来たんだから。」
「うわっ、スゲー。ノートにびっしり書いてある~」
「でしょ♪ このキャッチなんかどう?」
「『ブラスでクリスマス』・・・そのまんまじゃないですかぁ(笑)」
「うるさいわね~(笑)じゃあ、これは?」
「『どうします?クリスマス』・・・おやじギャグっすかぁ? でも、良いかも」
「あっ、いいんだおやじギャグ(笑)」
「じゃあ、そのキャッチに合わせて、ポスターの方もこんな感じで描き替えましょうか?」
僕は、思いついたイメージをラフスケッチする。
「ここにデーンっと、ケーキを置いて、周りにシャンパンや、ツリー、楽器を配置するんです。配色はクリスマスらしく、赤と緑を基本にして、キャッチコピーをこの辺りに書き入れる・・・もし写真とかの方が良かったら、パソコンでポスター作りますし。どうです?」
「うん、良い感じじゃない、スゴイね本田君って、サックスだけじゃなくってデザインも才能有るなんて」
「いや僕なんて下手の横好きってだけですよ。」
「そう言えば、まだスターダスト聴かせてもらってないわよね」
「あっ、覚えてました~」僕は鼻の頭を掻く
「当たり前よ、指切りしたからね。ねぇ、今日の放課後聴かせてよ」
「マジっすか、笑わないで下さいよ」
「笑わない笑わない、多分ね。あっ、チャイムだぁ。やばっ、五時間目は体育だった、急いで着替えなきゃ」
沢田先輩は、バタバタと席を立つ。
楓の事が好きだった中学時代もそうだけど、後で会えると分かっていても、ちょっぴり寂しい気分になるんですよね、この瞬間って。

そして放課後。
「ほ~ん~だ~君♪」沢田先輩が、話し掛けてきた。
「約束のスターダスト、聴かせてもらうわよ」
「えっ、今ですか? みんなの目の前で?」
沢田先輩と二人っきりになって、その時に聴かせたかったんですが、やはり良からぬ考えは実現しない物ですね。
僕は、指切りした翌日から、こっそり鞄に忍ばせていた、自前のマウスピースを取り出した。
軽く音合わせをして、一息付く。
「じゃあ、いきますよ沢田先輩」
深く息を吸い込み、マウスピースを口にした。
目を閉じて僕は吹き始めた。
ソロパートを一気に吹き上げる。
ちらっと、目を開けてみる。
ブラスバンド部員、全員が僕の方に注目していた。
一気に脈拍が早くなる
パーカッション担当の先輩が、スティックでカウントを取った。
それに合わせて、僕は次のフレーズを吹き始める。
それに合わせて、オーボエの音色が聞こえて来た。
もう一度目を開けると、僕の目の前で沢田先輩がオーボエを吹いていた。
続いてトロンボーン、ユーフォニューム、トランペットと聞こえて来た。フルートの音色が・・・楓だった。
即興演奏の割には、結構まとまっていた。
演奏を終えて、みんなでガッツポーズをした。
「すごい素敵だったよ、本田君」真っ先に口を開いたのは沢田先輩だった。
「すげーじゃん本田」「ジャズサックス、初めて生で聴いた~」「良い感じジャン」口々にみんなが喋り始める。
そして青木先輩が提案した。
「なぁ、今度のクリスマスコンサートのアンコール曲に加えようぜ。もちろん、本田のソロ付きでな」
「え~っ、マジっすかっぁあ。無理っすよ俺。」
「大丈夫だって、本田君なら」「やろうぜ、本田」「なんなら私がフルートでソロやろうか?」
みんな、他人事だと思って、気安く考えてますね。
僕にはすごいプレッシャーです。
「ねぇ本田君、ポスターの背景はスターダストを散りばめようよ」沢田先輩が、提案してきた。
「そうだ、本田。ポスター出来たんか?」
「はい、出来ましたよ。僕と沢田先輩で考えました。キャッチコピーは『どうします?クリスマス』です。」僕は誇らしげに答えた。

一瞬にして、部室全体が凍り付いた


blogram投票ボタン

テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

その感触・・・
「ねぇ、本田君ちょっと良いかな?」
クリスマス会の最中、沢田先輩に呼び掛けられた。
「はい、何でしょう?」
沢田先輩が、手招きをして僕らは音楽室を抜け出した。
こんにちは、本田健吾です。
―――――――――12月22日(火)―――――――――
階段を降りて、誰も居ない教室に入る。
何だかドキドキします。いきなりキスとかされちゃうんでしょうか♪
「本田君、自前のマウスピース持ってくる時、いっつも裸で持ち歩いていたでしょう。・・・だから、ハイこれ、クリスマスプレゼント」
そう言って、沢田先輩がリボンのかかった小さな紙袋を渡してくれた。そして、こう続けた。
「ゴメンね、私のわがままでお願いしたスターダストが、まさかクリスマスコンサートのアンコールになるなんて。相当のプレッシャーだったでしょ?」
「はい、そりゃもう・・・でもですね、気が付かなかっただしょうけど、ソロの部分は観客席を見ない様に、目をつむっていたんですよ。」
「え~、そうなの? なんか余計かっこよくない?それって。」
「ん~、ですかねぇ? 事実を知ったら全然カッコ良くないと思うんですけどね」
「う~ん確かに。ねぇ紙袋開けて見てよ、気にいって貰えると良いけど」
ガサガサと紙袋をあける。
中に入っていたのは、小さなフリース製の巾着袋だった。
取り出してみると、僕のイニシャルがちゃんと入っている。
「ひょっとして、これって沢田先輩の手作りですか?」
「うん、じっくり見ないでよ、荒が分かるから」
「いえいえ、最高です。沢田先輩の手作りの品をもらえるなんて。」あっ、素に本音を言っちゃいましたね。
「良かった、喜んでもらえて。」こっちこそ良かったです、僕の本音を笑顔で聞いてくれて。
今なら、沢田先輩に告白しても、OKを貰えそうな気がしてきた。
そう思った瞬間、クリスマスコンサートの時以上に緊張してきた。
目をつむんなきゃ、いや、そうしたら沢田先輩の顔が見れなくなっちゃう。でも、沢田先輩の目を見て告白する自信なんてないし。
妙な静けさが教室に広がった。
とりあえず、目をつむって気持ちを落ち着けよう。
目をつむった瞬間、温かくて柔らかい物が、僕の唇に触れた。
それは、ほんの一瞬だった。驚いて目を開けた瞬間、僕の目の前に沢田先輩の顔が有った。
こんな、間近で沢田先輩の顔を見た事無いから、びっくりした。
大きな瞳、透き通る様な白い肌、漆黒の黒髪、全てが僕の目の前に。息遣いや鼓動まで聞こえて来そうです。
「沢田先輩」
その時、廊下で他の生徒の声がした。
本能的に僕らは離れていた。
「そろそろ、音楽室に戻ろうか。」
沢田先輩が伏せ目がちに呟いた。
「あっ、そうですね。」
教室の扉をそっと開け、人気が無いのを確認してから、僕はドキドキしながら、教室を抜け出した。
さっき唇に感じた感触を思い出しながら。

blogram投票ボタン

テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

君がくれた、チョコ以上の物
「ねえ本田君、チョコ貰えた?」
沢田先輩に、そう声を掛けられました。
「えっ、僕ですか? 貰える訳ないじゃないですか」
「そうよね~、辛い質問だったわね」
「いや、そこは肯定じゃなくて否定でしょう、沢田先輩」
こんにちは、本田健吾です。
―――――――――2月14日(日)―――――――――
今日は、少し早いですが、3年生の送迎会です。
「本田、ジュースとおやつの買いだし行くから、付き合ってよ」
・・・楓の奴、相変わらず人使いが、荒いんだからな。
「へいへい・・・」僕は、メッセンジャーバッグを肩に掛け、森山と、のそのそ部室を出ていった。
「ねぇ本田、これ義理チョコ。どうせ、ひとつも貰えてないんでしょ?」
「馬鹿にするなよ、今朝母ちゃんに貰ったさ」
「いや、あんたそれで満足なん?(笑)
沢田先輩から、貰った?義理チョコ」
「なんで、そこで義理チョコって決め付けるかなぁ。」
「じゃあ、本命チョコ貰ったの?」
「いや、難民救済チョコを貰った」
「難民って、バレンタイン難民? それって、義理より悪くない?」
うっ、そっそうかも知れません・・・
「義理チョコが余ったから、あげるってさっき貰ったんだ、ほら」
メッセンジャーバックから、ごそごそとチョコの包みを取り出す。
「うわ、おっきい・・・」
「だよな、余ったって一体こんな大きな包み、何個持って来たんだろうな?」
楓が微笑みながら言った
「あんた、それ余った義理チョコじゃないんじゃない?」
「えっ?」
「きっと、それは余り物じゃなくて、あんたの為に沢田先輩が、準備したチョコだって。」
「そうかなぁ?」
「だって、沢田先輩が部室に入った時持ってたカバン、そんなに大きくなかったもん。良かったじゃん本命チョコ貰えて」
「じゃあ、素直にそう言えばいいのに」
「もう、女心が分かってないんだから。じゃああんた、ホワイトデーの時、『本命マシュマロです』って、沢田先輩に渡せる?」
う~ん、確かに・・・
「じゃあ、お前は青木先輩に、なんて言って渡したんだ?」
「別に何だって良いでしょ、私達の事は」
「あっ、ずるいぞ楓! さてはお前も『義理チョコ』って渡したんだろ」
「馬鹿、ちゃんと『大好きです』って言って、渡したぞ」
楓は「しまった」って、顔をして下を向いた。
「じゃあ、俺も、ホワイトデーの時は、頑張っかな・・・」
そう言いながら楓の頭を、ポンポンと叩いた。

blogram投票ボタン

テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

愛の使者現る
いつもの様に、ipodで音楽を聞きながら、灯りが点るホームに立っていた。
「お~い、本田~」
息を切らせながら、楓の奴が階段を駆け降りてくる。
「あんたも、列車に乗り遅れたのね、又、サンモールのゲーセン?」
「うっせぇなぁ。お前だってチンタラしてっから、乗り遅れたんだろ。」
「ほっといてよ、私にだって、それなりの事情ってもんが、有んだかんね、ほら列車がやってきたよ」
そもそも、楓に会ってしまったのが、失敗でした・・・こんばんわ、本田健吾です。
―――――――――2月26日(金)―――――――――
列車のボックス席に、並んで座る。
こいつは世間の目って言葉を知ってるんでしょうか?
青木先輩に、こんな所見つかったら、どうすんだよ(^^;)
そんな事はお構いなしって感じで、楓はあれこれ話掛けてきます。
「んで本田、沢田先輩にあげるホワイトディのプレゼント決まったの?」
「いや、未だだ。」
「ちょっとぉ、2週間なんて、あっと言う間だよ。折角のチャンスなんだから、綿密な計画を立てておかなくっちゃぁ」
「綿密な計画ってなんだよ、そんな大げさな事しないぞ、俺は。」
「相変わらず、女心が分からない奴だね、あんたは。沢田先輩がどれだけ14日を楽しみにしてる事か。」
「何だよ、勝手に決めつけんなよな」
「『映画にでも誘われるのかな?何がもらえるのかな~?告白されちゃうのかな~?』なんて、期待して待っているのに、結果的には部室の楽器室で、サンモールかコンビニの袋に入った、チロルチョコ3個を『はい、これ、お返しです』って、渡されただけだったら、沢田先輩ガッカリするわよ」
うっ、さすが幼馴染みの楓だ、俺の行動をしっかり読んでやがる。
「んな、訳ねぇだろ」
「んじゃあ、何であんた鼻の頭を掻いてるのよ。図星だったのね、信じられない~。あんたって、本当ロマンスの欠片も無いんだから。沢田先輩に告白するんじゃなかったの?」
「お前には関係無いだろ!」
「あ~もう仕方無いなぁ、愛の使者楓さまが助け船を出してやるか。」
お前が愛の使者? お前が首を突っ込んで、今までマトモに行った試しが有ったかぁ?
「お・・・俺、遠慮しとくわ」
「あんたの事だから、沢田先輩の欲しい物とか、趣味とか、好きな色とか、聞いてないんでしょうね。」
さっきから、携帯を打ち込んでるけど、ちゃんと俺の話を聞いているのか、こいつは?
「そうなると、王道のマシュマロかクッキーよね・・・マシュマロは初心者は難しそうだから、クッキーが無難かな~」
だから人の話を・・・そうかぁクッキーかぁ、んッ?待て!
「おい、楓、初心者ってどう言う意味だよ? 携帯構ってないで答えろよ」
「・・・ん~ゴメンゴメン、初心者って料理初心者って事よ」
「はぁ?料理初心者って、俺がクッキー作るんかよ」
「そうよ、今流行のお弁当男子+スィーツ男子をあんたが演じるの。」
「無理無理、俺、インスタントラーメン位しか作った事無いぞ。」
「そんな事知ってるわよ。あんたと何年付き合ってると思ってんの、ちゃんと先生を呼んで有るから。あっ返信が来た」
「・・・先生って?」
「来週の土曜日OKだって。材料買って、大森に上がって来るってさ」
「いや、だから誰なんだよ、先生って」
「うちのお兄ちゃんの彼女の、佳奈絵さん。」
「えっ?ヒデ兄ちゃん、彼女が居たんか!」
「うん、メガネっ娘でなかなか可愛いんだから。」
メガネっ娘かぁ、ヲタクのヒデ兄ちゃんには、お似合いかもな。
「しかし、男が手作りのお菓子を渡すって、おかしくないかぁ?」
「手編みのセーターを男子から貰うより、気持ち悪くないと思うけど・・・」
やっぱりどっちも、気持ち悪いって事じゃん。
いやはや・・・相変わらず、とんでもない事を考える奴だ、楓は。
「まぁ、確かにそうかもしんないけど、不自然じゃないか?いきなり俺が手作りクッキー渡すって」
「大丈夫大丈夫、愛の使者に任せておきなさいって。ちゃんと、シナリオを準備してあげるから。」
いや、だから、それが一番不安なんだって~!


松舞ラブストーリーアーカイブ
 ある高校生の夏休み編【完結】
(小夜曲)sérénade編【完結】
ショート・ショート編
モリヒデ・ヒグラシ編
颯太・朝葉編
洋介・日向編
幸一・真子・美結編
楓・青木先輩編
御主人様28号・詩音編
比呂十・美咲編
本田・沢田編
優ママ編
2009年収穫祭編【完結】


blogram投票ボタン

テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。