松舞町ラブストーリー
山陰の仮想の町松舞町を舞台にした、様々な恋愛を見守ってやって下さいね。
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2007年クリスマスイヴ
もうすぐクリスマスイヴも終わっちゃいます。
こんばんは、私、緑川日向、松舞保育園で保母しています。
―――――――――2007年12月24日(日)―――――――――
全国のカップルの皆さ~ん、幸せですか~
そうですか、そうですか・・・
「彼とホテルの最上階でディナーして、そのままスィートルームで、朝まで・・・」ですか・・・
えっ?「彼の部屋に始めて行って、二人でクリスマスツリー飾り付けて、貴女の手作りチキンとスパークリングワインで乾杯」ですって・・・
はいはい、世の中の皆さんはお幸せそうで、良かったですね。
私は・・・私は・・・シングルベルでしたよ・・・えぇ、どうせ寂しい女なんですよ(T _T)

って、言っても彼氏がいない訳じゃないですよ。
私の彼、村田洋介って言うんですけど、二ヶ月前に会社からいきなり転勤命令が降りて、大阪に転勤になっちゃったんです。
一応、新しく支店を作るって事で、転勤して行きましたから、栄転なんですけどね。

明日の朝大阪に行くって前の晩、洋くん(あっ、洋介君の事ですよ♪)は私に、「必ずイヴの3連休は帰るけん」って、言ってくれた。
でも、実際に遠距離恋愛が始まってみると、新しく支店を作るだけに、彼忙しくって毎晩残業、それに休日も何だかんだで結構出勤してて、まともに休みも取れない状態。
案の定、イヴの3連休も休日出勤になったらしい。
おかげで私は、この3連休1人で過ごしました。弟は地元サークルのパーティーの準備に出かけちゃうし、妹の朝葉ですら彼氏や友達のカップルと、合同クリスマスパーティーって、朝から、台所で佳奈絵ちゃんと大騒ぎしていた。
私と言えば、遊びに出てしまった二人に代わって、家業の八百屋の店番してました。
これがまた、キツいんですよね。
商品を納めに来たのおじさんには、クリスマスイヴに店番なんて、どうしたの?とか聞かれるし、近所のおばあちゃんは、自分の孫がまだ独り身だから是非見合いしてみろって言われるし・・・
ほっといてほしいですわ(涙)

はぁ~あ、こうして愚痴っていてもしょうがない・・・そろそろ寝るとしますかね。
明日も、一日子供たちの相手しなくちゃいけないしね。
みんな、ちゃんとサンタさんからクリスマスプレゼント届いたかな?
こうなったら、私もサンタさんにお願い事しちゃおう~

「サンタさんお願いです。今年はもう無理だろうけど、来年のクリスマスイヴは、どんな事が有っても洋介が、松舞に戻って来て、二人でクリスマスイヴを過ごせます様に。そして二人が永遠に幸せになれます様に」



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テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

少し寒かった日のラブソング
PiPiPi・・・PiPiPi・・・

睡眠と言う至福の世界から、俺は現実世界に引き戻された。
包まった布団の中から、音のする方へと伸ばす。
おはようございます、俺、洋介と言います。

――――――――― 12月23日(火)―――――――――

「なんで、俺、目覚ましセットしたまま寝たんだよ~」
出勤時間に合わせて、毎日鳴る様にセットしてある携帯のアラームを、OFFにするのを忘れて寝てしまった様だ。
今日は、12月23日・・・クリスマスイヴイヴで祝日・・・いや、天皇誕生日で祝日。
昨日のプレゼンの準備で、休日返上でずっと資料の準備をしていたから、休みなんて一ヶ月ぶり。
そして、昨夜は忘年会兼プレゼン成功祝いで、会社のみんなと0時近くまで飲んでました。
どうやら、アパート帰ったらそのまま寝ちゃったみたいです・・・(^^ゞ

折角の休日です。溜まった疲れを取るには、睡眠が一番。
もう一度、頭から布団を被り、俺は二度寝をする事にした。
おっとその前に、メールや電話で至福のひと時を、又邪魔されない様、マナーモードにしておかなくっちゃ。・・・そう言えば、日向(ひなた)から、三次会の最中、メールが届いていたな。

緑川日向・・・三つ年下の俺の彼女
時々、ボーっと、遠くを見つめているその横顔が、意外と(失礼)カワイイ♪。
「あっ、ゴメン、考え事しちょった・・・」
はいはい、いつもの事だからわかってますよ・・・心の中でつぶやきながら、ほんわかした気持ちになる自分がいる。
たまに出る方言もカワイクテ(笑)
俺の田舎、松舞町で保育園の先生をしていて、地元のサークルで知り合った
一昨年の夏に、思い切って映画誘って以来の付き合いになる。
去年の秋に、俺に会社から転勤命令が下り、大阪支店に転勤になってからは、週末に行き来する程度しか会えていないが、今日まで何とかやって来れた・・・

などと、考えていたらいつの間にか眠っていたみたいだ・・・
ピンポ~ン・・・ピンポ~ン・・・
うっ、又もや至福のひと時を邪魔する奴が・・・
誰だ?宅配便?会社の同僚?新聞の勧誘?・・・
どっちにしても、今は邪魔されたくないな、ここは居留守を決め込んで・・・Zzz・・・
「こら~、起きろ~」
すわっ、デリヘルだったのか~・・・って、頼んだ覚えないし・・・
「洋くんの事だけん、遅刻するんじゃないかと、心配はしてたけど・・・、まさか駅から荷物持って歩く事になるなんて思わんかったわ。」
へっ?日向?あれ?いつ大阪に来たんだ?
「何キョトンとしちょう?まだ、寝ぼけちょうかね?・・・・・あっ、さては私のメールをスルーしたな・・・」
メール・・・?、あぁ、あのメールね・・・(^^ゞ
そうか、それで俺は携帯のアラームOFFにしてなかったんだ・・・メール読んで、そのまま寝たんだなきっと・・・何となく事態が飲み込めてきたぞ。
「ここまで、荷物抱えて来うの大変だったけんね」日向はほっぺたを膨らませて、怒った顔だ。
「ゴメンゴメン・・・」と、言いながら日向に顔を近付けそっとキスをした。
「しゃん事したって、ごまかされんけんね・・・」そう言いながら、日向はクスッと笑い、俺の背中に手を回してきた・・・。
「会いたかったよ。寂しかったよ~」 ギュっと、日向の回した腕に力が入る。
そうだよな、何だかんだでお盆に帰省して以来、日向に会っていない。メールや電話でのやり取りばかりだった。
俺も、日向の背中に腕を回して、ギュッと抱きしめて、もう一度長めのキスをした。
スーっと、日向が俺の中に入ってくる気がした。

コーヒーメーカーから、ポコポコと音が流れている。
日向はキッチンに立って、俺が大好きなサニーサイドアップのベーコンエッグを焼いてくれてる。
そんな後姿を見ていたら、一生こうして居れたら・・・なんて目を細めてみる。
俺と日向は、熱々のトーストを頬張りながら、お互いの近況を話し合った。
「朝葉の彼氏のふうた君が、早々と東京の大学にスポーツ特待生として進学決めたもんで、朝葉は焦っちゃって東京の大学行くって必死に勉強しちょーに。」
「雲山市でOLしちょうクラスメイトの君枝ちゃん、先週彼にプロポーズされたんだって」
・・・はぁ~、何で朝から他人の恋愛話を聞かされなきゃいけないんだ。女の子ってこういうネタ大好きだよな~。
俺は、退屈な話題から抜け出すべく、話を切り替える事にした。
「それはそうと、日向はいつまでこっちにいるんだ? 今夜は、神戸辺り行ってクリスマスイルミネーション楽しまない?」
少しツンとした顔して、日向が答えた。
「本当に私のメール見てないのね・・・今日の最終の電車で、私、松舞に帰えるから。幼稚園と違って保育園はギリギリまで保育が有るのよね」
はっ、マジですか。一日も一緒に居られないなんて・・・
「日向、お前わざわざ半日過ごす為に来たの?」
「そうよ、わざわざ洋くんに会いに来たんだよ。クリスマスイヴ一緒に過ごせんから」
「いや、俺、来てくれって頼んだ覚えないし。クリスマスイヴは確かに一緒に過ごせないけど、今週末には帰省するって、メールしたじゃんか」
「クリスマスイヴは別物なんよ。その日、大好きな人と一緒に過ごせる事が、どれだけ幸せな事か」
「アホらしい、そんな事。他の一日よりお祭りムード一杯なだけやんか」
「そらそうかも知れんけど、周りはみんなラブラブなのに、私だけ1人って耐えられんけんね。
やっぱ、遠距離はしんどいわ。寂しい時、会いたい時に、洋くんがそばにおらんのは。洋くんは、1人で平気なん? それとも、こっちにも彼女がいるの?」
「居る訳ないだろ、そんな暇がどこにあ~や」
「じゃあ、暇が有ったら浮気するって事なん?」
「しゃん事言っとらんがや~。あ~い、け~、もう、好きにす~だわや」
「分かった、分かったけん、折角寝ちょーとこ、邪魔してスマンかったね。」
日向はバックを握ると、バタンと扉を閉めて出て行った。
「待てよ、日向・・・」
違うって、違うんだって・・・半日じゃ辛いんだよ切ないんだよ。もっともっと一緒に居たいのに・・・
ボーっと、遠くを見つめて考え事してたっていい。その横顔を、ずっと見てたいんだ。
「あっ、ゴメン、考え事しちょった・・・」・・・そのセリフをずっと聞いていたいだけなのに。
部屋の隅にうずくまり、ふさぎ込んでいたら、携帯がテーブルの上で振動する音が、静まり返った部屋に響き渡った。
何気なく携帯を手に取り、メールを見る。
日向からのメールだった。
「洋くん、さっきはゴメンなさい。でも、寂しいのは本当です。
洋くんには申し訳ないけど、松舞で1人生きていくのは辛いです。
こんな形で終わるのは嫌だけど、もう耐え切れません。
今迄、楽しい思い出をありがとう。これからもがんばってね。
                                    日向より 」

メールを読んでいたら、だんだん泣けて来た。
お前だけじゃないんだよ、お前だけじゃ・・・。俺だって辛いんだって毎日。日向がそばに居てくれたらって、いっつも思ってる。
少し震えた声で俺は叫んでいた。

「ひなた~ひなっ・・・・・」
あれ・・・?
布団の中で、涙を流しながら、おれは空しく天に向かって手を差し出している・・・
夢?・・・夢かぁ・・・良かったぁ~
安心したと同時に少し俺は照れ臭くなった。
改めて携帯を手に取って、メールの履歴を見る。
日向からのメールは、一昨日の日曜日の夜が最後だった。やっぱり夢だ・・・
何気なく、時計に目をやる。朝七時かぁ・・・今から新幹線飛び乗れば、お昼には松舞に着けるよな。
とりあえず、日向にメールを打たなきゃな。「今日午後そっちに帰るから、予定空けとけ」って
メールの返信なんて待てない、たとえひと目だけでも日向の横顔が見れるのなら・・・
そして、「結婚してくれ」って言えるなら・・・俺は松舞に帰る。

俺は、コートを手に取ると、朝の凛とした空気の中、駅へと歩き始めた・・・。

♪♪♪くりむぞんより・・・
このブログを偶然に読まれた方初めまして。
そして、久しぶりに覗いた方お久しぶりです。
そしてそして、更新をまだかまだかと2年以上待ち望んでおられた、アリエナイあなた。スイマセンでした。

松舞町ラブストーリー sérénadeの出筆途中で、挫折してから、何度も書かなきゃって思いながら、プライベートでも色々有って、ずるずるとここまで来ちゃいました。
奇特な方はお気づきかもしれませんが、松舞町ラブストーリーのスタイルであった、モリヒデ、かなかな、その他の人ってカテゴリを、無くしました。
これからは、各エピソードごとにカテゴリー分けしていきます。
そして、一話完結のショートストーリーシリーズの第一弾が、今回の話です。
これからは、不定期更新となりますが、これからも宜しくお願い致します。
最後になりましたが、私からのクリスマスプレゼントです。欲しい方はクリックしてみて下さい。
クリスマスプレゼント



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Happy valentineday in O-saka
ふ~(-。-)=з
意外と早く、朝葉のアパートが見つかりました。
それで、こうして土曜日の内に、洋介に会えそうです。
こんばんは、チョイ悪姉貴の緑川日向です v(^_^;)ヾ
―――――――――2月14日(土)―――――――――
本当は、日曜日に大阪寄ってすぐ帰る予定だったんですけど、とんとん拍子で朝葉のアパートが決まったから、ちょっぴり悪知恵を働かして・・・いや、乙女心って言って下さい・・・

新幹線が静かにホームに滑り込んで来ました。
ホームには沢山のカップルが並んでいます。
楽しそうに手を繋いでいるカップルもいれば、無言で俯くカップルもいます。
昔、「シンデレラエキスプレス」って言葉が流行ってたみたいだけど、うまい表現ですよね。
確かに、0時を回って自宅に着き、又いつもの寂しい生活が始まる・・・う~ん、他人事では無かった。
私も明日の夜は同じ思いをするんだった・・・
でも、そんな先の事は、後にして・・・今は、洋介に会える事だけを考えておきます。
だって、この前、彼に会ったのはクリスマスですから・・・
いきなりメール遣して、「今日午後そっちに帰るから、予定空けとけ」ってプロポーズかな~って、期待してたんですけど、結局他愛の無い話で時間だけが
過ぎていくし・・・

なんて、ボ~ッと考えているうちに、新大阪に到着・・・やっぱ、松舞のワンマンカーと違って、新幹線は速いですね。
ホームに下りて、洋介の姿を探す・・・居ない(゜-Å)
携帯の電源を入れてみると、洋介からメールが・・・
「いきなり来るって、言われても・・・部屋が未だ片付いてない。とりあえずザッと片付けてから、そっちに向かうから、十時半くらいになると思う。また、駅に着いたら連絡する。」
うっ・・・いきなり空振りです。今頃エッチなDVDを必死に隠しているのでしょうか・・・いや、案外他の女の痕跡を消していたりして・・・う~ん少し気になります。
ホームにいてもどうしようもないので、取り合えず改札を抜けて2Fの喫茶店ででも時間をつぶそうかな。
エスカレーターを下りて、歩いていくと右手にお洒落な感じのスーパーが
目に入った。
さすが、大阪十時回ってもスーパーが開いてます。サンモールなんか八時で閉まっちゃうのに(笑)
そう言えば、まだチョコを買ってませんでした・・・でも、洋介は甘い物あまり好きじゃないんですよね。
ブラブラと、店内を歩いていてら、ひとつのコーナーに目が留まった。

「わりぃ、日向。遅くなった、待ったろ?」
「そりゃ、勿論待ったわよ」あ~、気持ちは嬉しいのに、照れ隠しで裏腹の言葉が出てしまう・・・
ちょっと、しょぼんとしている・・・あちゃ、ちょっぴり洋介をいじめすぎたかな?
「ゴメンネ、突然押しかけてしまって・・・」
「いや、全然平気だよ・・・って言うか嬉しいし・・・」
洋介は私の手を握り締めた。私も手に力を入れてみる。
洋介のアパートは、電車を乗り継いで二駅のところに有る。
ちょっぴり、混んでいる電車の中でもず~っと手を繋いだままでいた。
今はしっかり洋介に甘えていようと思う。

洋介のアパートに着いた。
先ずは、残り香のチェック、そして歯ブラシのチェック、そして長い髪の毛落ちていないか目を皿の様にして見てやるんだから・・・
暗い部屋の中で、いきなり洋介は私に抱き付いて来た。
ん、もう・・・洋介ったら・・・私も洋介の肩に手を回す。
ゆっくりと洋介の唇が重なってきた・・・
「そうそう、こうやって王子様のキスで目覚めるんだよね・・・」(それは、白雪姫)
足元に置いた買い物袋に躓きそうになる・・・とっさに二人は腕を解いた。
ちょっと、しらけちゃったかな?
私は足元の買い物袋から、さっき買ったプレゼントを取り出す。
「はい、洋介。これバレンタインプレゼント。」
ハイヒール型の青いボトルを、そっと渡す。中身は、カクテルブルーハワイとかに使う、ブルーキュラソらしい。
「大好きだよ、これからもず~っと」私はもう一度洋介に軽くキスをした。
「俺だって、日向の事が大好きだよ」もう一度洋介が私の唇を捜している。
う~ん幸せです。今夜は一杯甘えちゃうからね。
だって、この幸せは明日の夜までなのだから。
0時を回ったら、シンデレラは魔法が解けて、普通の女の子に戻ってしまう。

でも、ガラスの靴を頼りに、ちゃんと私を迎えに着てね。



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テーマ:バレンタイン - ジャンル:恋愛

君の好きな歌が流れる午後
雨です。たまの休みだと言うのに、気が滅入っちゃいます。
あっ、こんにちわ、洋介です。
--------- 3月1日 (日) ---------
TS3C0287a.jpg
「一月行く、二月逃げる、三月去る」と言いますが、あっという間に 三月に入りましたね。
休みの日位、ボ~ッとしてたいのですが、平日は残業続きで何も出来ないので、休みとなると溜まった洗濯をしたり、部屋の掃除をしたりと、結構ドタバタとしています。
さっきやっとで、洗濯物を干しました。
とりあえず、コーヒーをいれて一休憩です。
開け放った窓から見える景色は、雨の街並みです。
信号が定期的に青黄赤と変わり、色とりどりの傘の花がせわしなく流れています。
松舞も雨かな?
ふっと、頭にヒナの笑顔が浮かんできた。
テーブルの上の携帯を手に取りメールチェックしてみる。
・・・新着メール無し
今日は、何してるんでしょうね、ヒナは。
そう言えば、正月に会って以来有っていないから、丸二カ月会ってないなぁ・・・
気が付くと指が勝手に、ヒナにメールを打っていた。
送信ボタンを押して、携帯をテーブルに置いた。
カップに残ったコーヒーを、グイっと飲み干し、おもむろにタバコを手に取り、火を点けた。

フ~ッ
・・・・・・
タバコの火を消し、コーヒーカップを口に持っていった。

・・・
あっ、飲み干したんだった。もう一杯飲もうかな。
・・・・・・
キッチンに行き、ヤカンに水を注ぎコンロにかけた。
・・・・・・
居間に戻り、テーブルの上に視線を落とす。
・・・・・・
笛吹ケトルが、口笛を吹き始めた。
キッチンに戻り、コーヒーカップにドリッパーをセットして、少しお湯を注ぐ。
コーヒー豆を蒸らしながら、居間へのドア越しにテーブルの上に、注意を向ける。
・・・・・・
蒸らし終わったコーヒー豆に、静かにお湯を垂らす。
♪♪♪
「来た♪」
慌ててテーブルの上の携帯を手に取る。
ポチポチっと・・・
何だ、後輩からのメールだ。

キッチンにコーヒーカップを取りに戻る。
・・・・・・
気が付くと、CDが止まっていた。
CDラックに視線を移す。
マッキーのアルバムが目に留まる。
「そう言えば、ヒナの好きな曲が、入ってたな」
CDを入れ替えて、再生ボタンを押す。
スピーカーから、静かな音楽が流れ始めた。
独りぼっちの静かな部屋の空気に、どんどん優しい音楽が染み込んでいく。
・・・・・・
窓の外は暗くなり、街頭の明かりがゆっくり、部屋に差し込んでくる。
・・・・・・
電灯を点けもせず、俺は町の明かりを静かに眺めていた。



「ねぇ、ヒナちゃん、話聞いてる? も~また、ボーッとしてるんだからぁ」
マコちゃんに、言われて私は我に帰った。
「う、うん。ちゃんと聞いてるよ。」
また空想してました(汗)。
うん、私がボーッとしてる時って、結構空想してるんですよね。

ごめんね、洋介。
真子と美結ちゃんと三人で、映画見て、カラオケ行ってました。
美結ちゃんを送り届けた、今、映画館に入る前に携帯の電源を切っていたのを思い出しました。
う~ん、私の事を放ったらかしにしてるから、その罰だよ、きっと。
帰ったら、ちゃんと電話するから、それまでもう少しモヤモヤしてもらおうかな。(笑)






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だから好き!
ったくもう・・・
朝から、テンション下がりっぱなしです。
あっ、おはようございます、洋介です
―――――――――6月6日(土)―――――――――
「だから、部長!さっきから言ってるじゃないですか。島田商事さんは、この条件を飲むから、このプロジェクトを進めてくれって!」
「しかし、村田君・・・この、プロジェクトはリスクが大きすぎるんじゃないか」
「ここで、引いてどうするんですか? 確かにリスクは有ります。それ以上に将来性が有るんですよ。火曜日には、プロジェクトをスタートさせないと、間に合わなくなるんですよ。」
「とにかく、このままじゃ駄目だ。もう一度、プランを練り直して、月曜日再プレゼンして来い。話はそれからだ」
部長は席を立ち、会議室へと消えていった。
あ~、もう、保守的過ぎるんだから、部長は・・・
俺もデスクに戻り書類を放り出した。
待ってましたとばかりに、横の席に座っている後輩の飯野が話しかけてきた。
「あの~、先輩・・・。このエクセルの表なんですけど、何回やっても文字が吹き出しから、はみ出ちゃうんでうすよ」
「ん?、それはこの前も説明したろ。右クリックして・・・違う!右クリック・・・あ~もういい俺がやる!」
ったく、今の若い奴は(もちろん、俺も若いですよ)、人の話をちゃんと聞いていないんだから・・・
ちゃんと、メモとって、出来るだけ他人に頼らない様にするのが、普通だろ・・・
飯野のキーボードをカチャカチャ打っていると、携帯がなった。
「はいよ、ここまで直しておけば、後は何とかなるだろ?  ・・・・すいません、お待たせいたしました、村田です・・・あっ熱田常務いつもお世話になります。あれ?熱田常務、今日はお休みって昨日言っておられませんでしたっけ?・・・ええ、・・・はい・・・えっ?今日の午前中ですか?・・・う~ん、メーカーも今日は休みですから、在庫が有るかどうか・・・えっええ・・・メーカーや他の業者にも問い合わせて、何とかお届け出来る様に、手配かけてみます。はい・・・では、一旦電話を切らせて頂きます。」
携帯をポケットにしまい、ため息を付く。
「おい、飯野。その書類は午後からで良いから、仕入先片っ端に電話して、この在庫を50個確保してくれ。熱田常務が、発注するの忘れてて、工場がストップしているらしい・・・」
「そんな、先輩。今日は土曜日ですよ、メーカーだって休みだし、仕入先だって休みの所が多いんですよ」
「んっなん、分かっと~わい。そ~でも、探さんといけんわや。ほら、お前はこっちのアドレス帳から、
電話せや」
「ったく・・・」
ぶつぶつ言いながらも、飯野は電話をかけ始めた。

「ええ・・・ええ、じゃあ在庫が20個有るんですね。それ、今から取りに行きますから、納品書切っておいて下さい、・・・はい、じゃあ失礼します。」
「飯野、20個見つけたぞ。そっちは?・・・15個か・・・あと、15個だな・・・」
そう言いながら、受話器を取ろうとすると、会議が終わったのか、部長がデスクに戻ってきた。
「村田君、ちょっと来てくれ」
渋々受話器を置き、俺は席を立った。
「さっきの会議でな、今度、ここの製品を取り扱う話が持ち上がった。社長は、月曜日に予算組みするって言ってるから、今日中に資料を集めてくれ」そう言って、一冊のパンフレットを机の上に置いた。
「今日ですか?午前中に熱田常務の所に、納品が有るんです。しかも、島田商事のプレゼンを再度煮詰めなきゃいけないんですよ。他の社員に頼んでもらえませんか?」
「熱田常務? 昨日行って来たんだろ、ちゃんと注文の確認しなかったんか? お前の怠慢じゃないのか? そんなんだから、島田商事のプロジェクトだって、詰めの甘いプレゼンしか出来ないんだよ。いいから、文句を言わずに今日中に全部やっておけ。わしゃ、今から、太田さんと打ち合わせに出掛けるから。今日は直帰するから、ちゃんと俺に、社長に出す資料と、島田商事のプレゼンを、メールしておけよ」
太田商店の太田さんかぁ・・・打ち合わせって言ったって、所詮は、雀荘でマージャンか何かだろ?
あそこは、今、動きが無い筈なんだから。
あ~、又、ひとつ仕事が増えてしまった・・・
今夜は、深夜まで残業になりそうだな・・・

「村田せんぱ~い、やりました。50個集まりました~。今から、仕入れ先回って、熱田常務に
届けてきますね~。」
「おおっ、やったな飯野! 気をつけて、行って来いよ。」
俺は、喫煙室に行き、タバコに火を点けた。
いつも、こんな調子で毎日が過ぎていく。
昨日を振り返る余裕なんてありゃしない。
帰って、シャワー浴びたら、ベッドに転がり込んで眠るだけ・・・
そう言えば、昨日は、終電終わってからも仕事してたから、日向にメールしてないな・・・
やばいなぁ・・・怒ってるんだろうなぁ・・・
俺は、タバコをもみ消し、デスクに戻った。
椅子に深々と座り、マウスをクリックして、ファイルを開いた。
先ずは、プレゼンの修正からだ・・・
折角、飯野と残業して仕上げたプレゼン資料なのに、一から練り直しとは・・・
考えただけで、頭が痛くなりそうだ・・・
このまま、全てを投げ出して、どこかに逃げたくなる時が有る・・・
あ~、やばい・・・体力も精神的にも限界だ。

♪♪♪携帯の着メロが鳴った・・・ドリカムの未来予想図Ⅱ・・・日向からのメールだ。
周りの社員に見つからない様に、こっそりと開いて見た。

「洋介、おはよう(^ヮ^) お互い今日も一日がんばりましょう(^_^)v」

なんだか、それだけの文章を見ただけなのに、凄く気持ちが楽になった。
何でも無い、気遣いをしてくれる日向だから、きっと俺はあいつの事を愛してるんだろうな。
そうだよな、日向がいる限り俺は頑張れるし、頑張らなきゃいけないんだよな。
ありがとう日向。

俺は、マウスを握り直し、モニターに向かった。




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車窓
満員電車の車窓越しに、流れ行く街の明かりをボンヤリ眺めている。
沿線のアパートに、何気なく視線を移すと、ベランダに洗濯物を干す女性の姿が見えた。
ふっと、日向の事を思い出す・・・
あいつ、今頃、何してるんだろ?
こんばんわ、洋介です。
―――――――――7月3日(金)―――――――――
今日は、京都まで営業に行ってました。
夕方にバタバタと契約が取れたから、まだ京都線の電車の中です。
救いなのは、直帰願いが通った事
そして、明日明後日と休みな事。
実は結構、車窓から街の明かりを、眺めるの好きなんですよね。
一つ一つの明かりの下には、人が住んでいて、温かい家庭が有る。
家族で仲良くテレビを見ている家庭もあれば、喧嘩している家族もいる。
彼女彼氏と電話している奴もいれば、ベッドでエッチの真っ最中のカップルもいる事でしょう。
松舞の緑川青果店の二階の西側の部屋にも、明かりが灯っているでしょう。
その明りの下には日向がいる。
テレビを見ているかも知れない。読書の真っ最中かもしれないし、机に向かって保育園の書類をまとめているかもしれない・・・
案外、風呂上がりでバスタオルを身に纏い、ドライヤーを当てているかもしれない・・・
会いたい・・・日向に会いたい・・・
小さく溜息をついてみる。そんな事しても、なんの解決にもならない事は分かっているんだけど。
いつもになく弱気なのは、辞令が下ったからです。
今度は東京転勤です。
新大阪なら、まだその気になれば、週末日向に会いに帰れたのですが、さすがに東京となると、そんなには帰れないでしょうね。
京都駅で山陰本線のホームを見掛けた。
ここから、快速や各駅停車を乗り継げば、間違いなく山陰に行く事が出来る。
そして、日向に会う事が出来る。
そう思うと、切なくて仕方なかったです。
ゴールデンウィークに会って以来だから、2カ月近く会っていない計算になる。
たった2カ月、されど2カ月、短くて長いよなぁ。
東京転勤となったら、年に数回しか会えなくなる気がする。
日向と幸せに暮らす為に、頑張って仕事して来たけど、すればする程、日向との幸せな生活が、遠ざかって行ってる。
日向と付き合い始めて数カ月経った頃、突然勤めていた会社が倒産してしまい、その後1年間まともな職に有りつけなかった事が有るんです。
その間、励まし支えてくれたのが、日向なんです。
だから、内定をもらった時は、これで日向と幸せに暮らせるって、すごく喜んだんですけど。
シリコンプレーヤーの曲が次の曲に変わった。
静かな口笛が聞こえて来た・・・槇原敬之のGoing Homeだ。
♪たまには帰ろうかぁあの街に~
なんて、タイミングの悪い・・・
ボタンを押して次の曲に飛ばす。
「君の名前を呼んだ後に」だ。
♪君に~早く~会いたいよ~
ダァ、ダメじゃんこの曲も
こうなったら、アーチストを変えよう。
メニューを操作していると、懐かしいグループの名前が目に止まった。
「杉山清貴とオメガトライブ」
会社の先輩が、勧めるから借りてみたベストアルバム、シングルズヒストリー。
♪忙し過ぎた僕のせいなのさ 週一度の電話より抱いてあげたかったよ~
とどめを刺された。

あ~もう~
「俺にどうしろって言いたいねん」
いや、答えは分かっているんですけどね。
日向に会いに行けばいいんですよ。
そう、会いに行けば・・・
チラッと時計を見る。まだ八時半
幸い、今夜は直帰で明日明後日は会社も休み。
そう思った瞬間、気持ちは松舞に飛んでいた。
「日向に会いに行く」
新大阪駅のホームを駆け降り、新幹線口に向かう。
走る速度がどんどん上がっていく。日向に会いたい気持ちが加速度を増した様に。


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熱帯夜
「ほい、送信っと・・・」
お客様への、返信メールを打ち終えて、一服する為に喫煙室へ向かう。
「そうだ、タバコ切らしてたんだっけ」
エントランスへと、俺は歩みを変える。
自動ドアが開いたとたん、ムッとした空気が俺の周りを包み込む。
「あ~、夏がやって来たんだなぁ」
そう呟きながら、夜空を見上げる。
こんばんわ、洋介です。
―――――――――7月24日(金)―――――――――
折角の週末だと言うのに、クレーム処理の為今日も残業です。
去年の夏は、まだ楽しかったよなぁ。
もう、松舞には居なかったけど、大阪だったから週末毎に松舞に帰ったり、日向が大阪に遊びに来たり。
でも、今年の夏は、俺が東京に転勤になっちゃたから、会えるのはお盆くらい。いや、お盆に帰省出来るかすら、微妙です。
「今年は、日向の水着姿が、見れないなぁ」ふっと、呟いてみる。少しぽっちゃりしてるけど、ナカナカ水着姿も可愛いんですよ♪
たばこ屋の灰皿の前で、買いたてのタバコの封を開けて火をつける。
ゆっくりと紫煙を吸い込む。
額から汗がにじみ出て、頬を伝う。
「しっかし、暑いなぁ~」梅雨が明けたとは言え、空気はジメッとしていて、不快に絡み付く。
「あ~、松舞に帰りてぇ」愚痴っても、なんの解決にもならないのに、つい口走ってしまった。
もし、今の会社に勤めず、松舞に住んでいたら、今、この瞬間、俺は何をしているのだろう?
やはり、他の会社で残業しているのだろうか?
それとも、日向と楽しくおしゃべりでもしているのだろうか?
日向の部屋で?いや、それはあり得ないよな。
じゃあ、俺の狭いアパートでか?
いや、案外ドライブ中の車の中?
ホテルで、互いの温もりを確かめ有っているかもな?
いや、ひょっとしたら、俺と日向は結婚しているかもしれない。
考えたくは、二人別れて、別々の道を歩んでいるかもしれない。

長くなったタバコの灰が、ポトリと落ちた。
たばこ屋の前の歩行者信号が、青の点滅から赤に変わる。
目の前を残業帰りのカップルが、手を繋ぎながら、楽しそうに通り過ぎる。
意味もなく、ニヤッと笑ってみる。
同じ様に手を繋いで歩く俺達を思いながら。
くだらないジョークで日向が笑う。
その笑顔を見て、俺も笑顔になる。
そんな事をただ繰り返しながら、どこまでも歩いて行く。
目的地なんて無くたっていい。
いや、無い方がいい、永遠に日向と手を繋いで歩いて行けるから。
けたたましいクラクションの音で、我に帰る。
気が付くと、タバコはフィルターの所まで、燃え尽きていた。
古いタバコを灰皿に捨て、新しいタバコに火をつける。

ふ~っ。
今、こうしていられるのも、今の会社に就職して、大阪東京と転勤して来たからだよな。
もし、転勤を蹴っていたら、翌日、自動車事故で死んでいたかもしれない。
そう考えたら、少なくとも今時点までは、現状に感謝しなくちゃいけないかな
なんて、哲学的な事を考えたりもする。
今この時点、日向は間違いなく俺の物なんだから。
そして、一分でも一秒でも長く俺の物でいて欲しい。
昔の唄じゃないけど、「お前のお影で、いい人生だったと俺が言うから、必ず言うから」
そう言う風に死ねたら、それが一番理想かなって思う。

また、信号が青の点滅から赤に変わった。
あの信号が青に変わったら、また歩み始めよう。
日向に「お前のお影で、いい人生だったと」言える、その日に向かって。
深くタバコを吸ってみる。
頼りなく揺らめく紫煙が、湿った空気に溶けていった。



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テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学


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